伊那市未満児保育の希望者増 受け入れ限界寸前

Nagano Nippo
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 少子化が進む一方で、未満児保育の
希望者が増え続けている。
伊那市がまとめた2月1日現在の市内保育園の
来年度入園希望状況では、希望者総数が2160人で
前年度同期より55人減ったが、
3歳未満児は499人で26人増え、
全体の23.1%を占めている。
市内保育園の未満児数は2008年度以降増え続けており、
各保育園とも受け入れは限界寸前。
対応に追われる市こども支援課は
「態勢の整備も含め、保育のあり方を考える必要がある」
としている。

 3歳未満児はここ数年、年度当初の4月1日現在では
350人前後で推移してきたが、昨年度は377人、
今年度は418人に増加。
年度途中に100人近く受け入れており、
昨年度は3月までに483人に達した。

 同市では私立も含め、市内24のすべての保育園で
未満児を受け入れているが、
定員いっぱいの施設がほとんど。
第2、第3希望の保育園を利用してもらったり、
未満児の定員を増やした私立を紹介するなど、
調整に苦慮している。

 なぜ、未満児が増え続けているのか。

 同市では未満児増加がリーマンショックのあった
08年度から始まっていて、
所得に応じて決まる保育料の平均額は
07年度まで2万円を超えていたが、
昨年度は1万7654円まで下がった。
こうした状況から、同課では核家族化や
女性の社会進出などに加え、景気低迷の影響で
働かざるを得ない母親が増えているのではと推測する。

 一方で「会社を休めない」という声も。
地元企業で働き、生後数カ月から
子どもを保育園に預けたという女性(32)は
「会社に育児休業制度はあるが、
復帰後のポジションなどを考えると
長く休むことへの不安が大きい。
職場の雰囲気から取りづらかった」と話す。

 同課では「社会的な要因も含め
保護者の事情やニーズは多様化しており、
保育のあり方が問われている。
要望を把握し、行政としてでき得る
必要な施策を検討していきたい」としている。
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