視線熱いこどもと会話 県内唯一 手話で交通安全


中日新聞
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金沢中署の表さん
ろう学校で教室

 人さし指を立てたり、胸の前で丸く輪っかをつくったり。
慣れた様子で、手話を披露するのは
金沢中署に勤務する表洋子さん(55)。
表さんは、手話で交通安全教室ができる
県内唯一の交通巡視員。
春になると県立ろう学校(金沢市窪)で、
子どもたちに交通安全教室を開いている。(沢井秀之)

 表さんが手話を学ぶきっかけになったのは、
一九九一年に県内で開かれた障害者スポーツの全国大会。
雑踏整理をしていた表さんは、
耳が不自由な人ときちんとコミュニケーションができなかった。

 関心を持っていたとき、警察官を対象にした
講習会があり勉強を始めた。
その後も、テレビや本、市民講座などで練習を重ねた。

 中署に勤務になった二〇〇八年の春、
初めて県立ろう学校で手話での交通安全教室を開いた。
十三年ほど前、手話を学びたてで勤務した際には、
自信がなくてできなかった。
「直接子どもたちと対話を」との思いを胸に
「手話で教室を」と願い出た。

 鏡の前に立ち何度もリハーサルをして本番に臨んだ。
「間違ってたらごめんね」と手話であいさつをして、
初めての教室を開いた。

 子どもたちは、手話をする表さんを
一生懸命見ながら「聞いて」くれた。
以来毎年春の遠足を前に、教室を開く。
今では「覚えてる?」と尋ねるとうなずいてくれる子もいる。

 手話を使う機会は少なく、教室以外には、
署を訪れた障害者とコミュニケーションをする程度だ。
それでも「機会があれば、
これからも生かして仕事をしていきたい」と考えている。
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