虐待で心に傷 子どものケア施設


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 ◆川崎市、15年度開設目指す

 川崎市は、虐待などで傷つき専門的な支援を必要とする
子どもに精神的、医療的ケアをする
情緒障害児短期治療施設「(仮称)こども心理ケアセンター」の
整備に乗り出した。
2013年度当初予算案に1845万円を計上して
施設の設計を行い、15年度の開設を目指す。
市は「児童養護施設にいる支援が必要な子どもに、
適切なケアを受けさせられる環境を整えたい」としている。

 同様の施設は、県内で「横浜いずみ学園」(横浜市戸塚区)
に次いで2か所目。
建設予定地は、川崎市中原区井田の
約4140平方メートルの市有地で、
民間業者に委託して運営する。
ケアセンターには、精神科や小児科など
専門の医師や担当職員が常勤、
より細かな心のケアにあたる。
学校生活に不安がある子どものため、
施設内学級も設置する。

 市によると、1999年度に146件だった
児童虐待の相談・通告件数は2011年度、
9倍の1320件に増加。
虐待などで親と一緒に暮らせない
要保護児童も増えている。

 市内には中原区と宮前区に児童養護施設がある。
市が11年9月、施設の子どもを対象に実施した調査では、
221人中37人が「抱える課題が重篤と考えられる」とされ、
対策が急務となっていた。

 市こども福祉課によると、施設には
医師が月に数回訪れて健康管理をしているが、
特別な支援を必要とする子どもに
十分なケアをすることは難しいという。
現場からも「パニックになると自己抑制がきかない
子どももおり、手が回らない」という声が上がっていた。

 ケアセンター開設と、13~14年度に
麻生区と川崎区に新設が決定している
児童養護施設の計3か所で、
要保護児童の定員は100人増え、約300人になる予定。
さらに、市は児童虐待に対応する
行政向けマニュアルを整備し、
学校や民生委員に配る虐待防止のハンドブックも作成する。
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