子育て 一人じゃないよ フィリピン人ママ交流


YOMIURI ONLINE
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 大阪市中央区のミナミで、
フィリピン国籍のシングルマザーが昨春、長男を
殺害するなどしたとして逮捕された事件を機に、
フィリピン人の母親らが集うコミュニティーが
結成され、活動している。
2月中旬には初めての集会を開き、区職員らも参加する中、
母親たちが子育てや生活の悩みを
相談するなど交流を深めた。(横田加奈)

 設立されたのは「サウスイーストアジア コミュニティー協会」。
昨年4月、同区のマンションで
フィリピン国籍の母親(30)(心神喪失を理由に不起訴)が
包丁で切りつけ長男(当時6歳)が死亡、
長女(同4歳)が重体となった事件がきっかけだった。

 区などによると、母親は予防接種や
学校に教育相談をするなど子育てに熱心だった。
一方、近所の住民は部屋から
子どもの泣き声がするのをたびたび聞くなどしており、
相談できる仲間がいなかったとみられるという。

 これを受け、悲しい事件を繰り返さないようにと、
地元住民らが昨年8月に協会を発足。
代表を務めるフィリピン国籍の石村・アニータさん(49)は
「母親は悩みを一人で抱え込んで
どうしようもなくなっていたのでは。
フィリピン人が悩みを共有できる場を作ろうと考えた」と話す。

 区によると、区内のフィリピン国籍者は約430人。
シングルマザーも少なくないが、
日本語が不自由だったり夜間の勤務をしていたりするため、
他の母親との交流や行政に相談する機会を持てず
孤立しがちという。

 協会では毎月1回、区内の弘昌寺を拠点に
メンバーのフィリピン人の母親や、
市や区の職員が集まり、
子育て支援の現状や行政サービスの情報を共有してきた。

 さらに、広く参加してもらおうと今月17日、
同寺で初めてランチミーティングを開き、
母親や子ども10人のほか、
地元住民や在大阪・神戸フィリピン総領事館の
副領事も参加。
フィリピン料理が振る舞われ、
参加者は「子どもの遊び場はどこにあるか」
「ストレスで子どもを怒ってしまう」などの悩みや、
日本での暮らしについて話し合い、
にぎやかな雰囲気に包まれた。

 高校1年の娘がいる母親(41)は
「知り合いができず心細かったので、
集まれる場所があるのは心強い」と喜んだ様子。
区保健福祉課の比嘉直子課長代理も
「横のつながりができることで、
連携や情報共有がしやすくなる。
他の国籍のコミュニティーも増えていけば」
と期待を込める。
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