
ケア付き賃貸マンションを青森市浜田に
建設する計画が進んでいる。
老々介護、買い物弱者、遅れがちな育児支援など、
老々介護、買い物弱者、遅れがちな育児支援など、
高齢者や障害者、働く母親らは多くの課題を抱える。
福祉の現場では近年、個別のケアではなく、
包括的に支援する方向が模索されている。
計画しているのは、青森市や平内町などで
計画しているのは、青森市や平内町などで
特養ホームなどを運営する社会福祉法人「宏仁会」。
高齢者、障害者、子育て世帯の住環境整備の
先進的な提案として国土交通省の補助事業に今年度選出され、
建築工事費の10%や設計費の3分の2を補助される見通しだ。
事業費は約8億9300万円。
来年度中にも着工する予定で、戸数、家賃は未定。
マンションの特徴は、高齢者と子育て世帯を
マンションの特徴は、高齢者と子育て世帯を
横断的に支援する住まい作りだ。
内科、脳外科、小児科の医師が勤務する
診療所と保育所を設置。
共同食堂からの食事サービスも検討しており、
買い物が困難な高齢者や仕事で料理をする時間が無い
母親を手助けする。
「手厚いケアが心強い。かなり理想的なマンション」。
「手厚いケアが心強い。かなり理想的なマンション」。
入居を検討している平内町の佐藤昭子さん(65)は語る。
昨年夫を亡くし、現在同町内で一人暮らし。
現在、介護サービスは受けていないが、
足が少し不自由なため、診療所や食事サービス、
雪かきサービスに魅力を感じるという。
「便利なのはもちろん、いろんな世代との交流がある。
私も子育てを経験しており、
若いお母さんの力になれたら」と話す。
青森市の神純子さん(34)は1歳11か月の双子の母親。
青森市の神純子さん(34)は1歳11か月の双子の母親。
共働きのため、保育所と小児科を併設する点にひかれている。
「子育て世帯や育児を経験した
お年寄りに相談しやすい環境」と期待する。
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高齢者や障害者、子育て世帯などを
高齢者や障害者、子育て世帯などを
同時に支援するマンションは全国で広まりつつある。
北海道函館市では昨年、介護事業を行う病院が
北海道函館市では昨年、介護事業を行う病院が
高齢者と障害者の共同住宅マンションを開業。
24時間の見守りサービスや
デイサービスをマンション内で行う。
兵庫県豊岡市でも同年、NPO法人が
高齢者や障害者、子育て世帯向けのマンションを開設。
敷地内で認知症患者や障害者向けの
デイサービスを行い、保育所も備えている。
弘前学院大学の八戸宏教授(高齢者福祉)は
弘前学院大学の八戸宏教授(高齢者福祉)は
「今まで高齢者や障害者は行政の縦割りで支援されてきた。
複合的に支援する取り組みは始まったばかり。
需要があることがわかれば、
理想的な共生社会になるのでは」と指摘する。
「宏仁会」の長根祐子理事長は
「宏仁会」の長根祐子理事長は
「高齢者や障害者などが共生する社会を
具体的な仕組みにしていくことが大切。
マンションが一つのモデルになれば」と意気込んでいる。