化学実験 高校生が先生役…理科離れ対策


YOMIURI ONLINE
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 科学は面白い――。子供たちの興味を刺激し、
“理科離れ”に歯止めをかけようと、
理系の高校生を指南役にした小中学生対象の特別授業が、
水戸市笠原町の市総合教育研究所で行われた。

 市内から集まった小中学生は、
目の前で繰り広げられる不思議な実験に興味津々。
教える側も意欲的に取り組んでいた。

 照明を落とした実験教室のあちこちで、
赤や緑、オレンジ色の炎が上がり、周りで見ている
小中学生の顔を照らし出す。「わぁ、きれい」。皆の目が輝く。

 特別授業は、理数教育に重点を置いた文部科学省の
「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に
指定されている水戸二高の教育支援活動の一環。
同高では、小中学校の要望に応じて年に数回、
生徒が出向いて理科の実験などを見せている。
今回は小中学生が学校の垣根を越えて
高いレベルの学習に挑戦する水戸市の
「次世代リーダー育成事業」に先生役で招かれた。

 特別授業には、小学6年~中学2年の約80人が参加。
4人ほどのグループに分かれた小中学生に
同高の地学部や数理科学同好会の生徒が先生役で1人つき、
試験管やビーカーを使って化学の実験をして見せた。

 まず、地学部顧問の広沢潤一教諭が
「花火ってどうして色が付いているんだろう」と小中学生に質問。
少し間を置いて「実は金属を燃やして
色を付けているのです」と種明かしすると、
驚きの声が上がった。

 小中学生は、高校生から「カルシウムも金属なんだよ」などと
説明を受けながら、金属を燃やした時の
炎色の一覧表をもとに、赤や緑といった炎の色から
どんな金属を燃やしたかを当てる問題に取り組んだ。

 さらに、高校生の説明を受けて、
二酸化炭素を充満させた瓶の中でマグネシウムを燃やしたり、
湿らせた濾紙の上で水とナトリウムを反応させて
発火させたりと、不思議な現象を観察。
水戸三中2年の女子(14)は
「教科書で見たことはあっても自分でやったことのない実験。
高校に入ったら頑張って理科を勉強したい」
と刺激された様子だった。
同高1年の女子(16)は「質問に答えられるよう、
もっと勉強して科学の面白さを伝えられるようになりたい」
と話していた。

 広沢教諭は「高校生は教えることで
新たな発見や学習意欲を見いだせるし、
教わる方も楽しみながら勉強できる」と話している。
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