児童犠牲 検証の委員会初会合

NHK NEWS WEB
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東日本大震災の津波で多くの児童が犠牲となった
宮城県石巻市の大川小学校の当時の
避難の状況などについて、
市の教育委員会の検証は不十分だという遺族の声を受け、
改めて検証するために設置された
第三者委員会の初会合が開かれました。

この第三者委員会は、犠牲となった児童の遺族らが、
大川小学校の防災対策や避難行動について
石巻市の教育委員会が行った検証は
不十分だと訴えたことを受けて、
文部科学省の主導で設置されたもので、
外部の識者10人が委員を務めます。
委員たちは、午前中、小学校とその周辺を視察に訪れ、
被災した校舎の内部や子どもたちが
避難した経路を見て回ったほか、
学校の裏山に登って校舎との位置を確認していました。
午後から開かれた会合では、
今後の検証作業について話し合われ、
第三者委員会として独自に学校関係者への
聞き取り調査を行うほか、児童の遺族からも
意見を求めることを確認しました。
さらに、遺族への情報公開の在り方など、
教育委員会の事後の対応が適切なものであったかも
検証の対象とすることを決めました。
委員長を務める関西大学の室崎益輝教授は、
会見で「なぜ逃げることができなかったのかを、
あらゆる可能性を排除せずに議論して検証し、
再発防止につなげたい」と述べました。
第三者委員会は今後、6回開かれる予定で、
ことし12月には最終の報告書をまとめることにしています。

“今度の調査はしっかりと”

第三者委員会は、検証の過程をすべて
遺族に公開することにしていて、
7日の1回目の会合はおよそ20人の遺族が傍聴しました。
当時、小学3年生だった長女を亡くした只野英昭さんは
「生き残った長男は市の教育委員会の調査に
協力してきたが、十分に生かされることがなかった。
亡くなった娘のためにも今度の調査は
しっかりと取り組んでもらいたい」と話していました。
また、当時、小学6年生だった長男を亡くした
今野ひとみさんは「教育委員会の事後の対応を
不満に思っていたので、そのことも検証されることになり、
委員会は思っていたよりも期待できるように感じた。
新たな聞き取り調査は、関係者の負担にも最大限、
配慮しながら行ってもらいたい」と話していました。
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