出産時のタクシー利用 各社が新サービスに力


msn産経ニュース
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 出産時に気軽にタクシーを利用してもらおうと、
各社が新サービスを打ち出している。
事前に登録しておけば出産の際、
スムーズに病院に駆けつけられる。
乗降時に手助けしたり荷物の運搬を手伝ったりするなど、
乗務員によるきめ細かい対応も特徴だ。(竹岡伸晃)

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「心強いですね」

 東京都世田谷区の主婦、関根順子さん(31)は
現在、妊娠8カ月。
6月初旬の出産予定日を前に2月下旬、
日本交通(北区)の「陣痛タクシー」に登録した。

 会社員の夫(36)は平日昼間、家にいない場合が多い。
初産のため、「タクシーはすぐ来てくれるのか」
「破水した場合は…」などさまざまな不安があり、
利用を決めたという。
「いざというときの交通手段が確保できたので
心強いですね」と笑顔で話す。

 同サービスは昨年5月、日本交通が
東京23区や東京都三鷹市、武蔵野市で始めた。
利用者は事前に自宅などの迎え先や出産する病院の住所、
電話番号、緊急連絡先などを登録。
タクシーを呼ぶ際、優先的に配車され、
細かいルートなどを伝えなくても
登録情報を基に病院に送ってもらえる。
料金は通常と同じだ。

 同社無線センターの陣痛タクシー責任者、
山本朱美さんは「『破水していたら断られるのでは』など
利用をためらう妊婦も多く、
出産時に安心してタクシーを使ってもらいたいと考えた」
と説明する。

 サービスを始めるに当たり、
同社グループの全乗務員が助産師による講習会を受講。
陣痛や出産についての基礎知識や
車内出産など緊急時の対応法について学習したほか、
「必要な場合は手を貸す」「丁寧な運転を心掛ける」
などのマナーについても学んでいる。

 累計登録者数は1万5千人を超え、
毎日20件以上の利用があるという。

 東京消防庁では「出産時でも
必要と考えたら救急車を呼んでもらいたい」と話す。
ただ、「状態にもよるが、
病院ではタクシーなどで来るよう案内するケースが多い」
(山本さん)。
このため、出産時に対応したタクシーの
サービスは全国に広がっている。

研修や講座を受講

 福岡市内を営業エリアとするタクシー会社、
大稲(だいとう)自動車(同市東区)は
平成21年5月、「プレママタクシーサービス」を始めた。
必要情報を登録したうえで、出産時などに利用する。
破水に備えて車両に防水シートカバーや
バスタオルを用意したり、利用者に代わって
病院に連絡したりするなどのサービスが特徴。
乗務員全員が、地元産婦人科医師の協力を得て
作成した対応マニュアルによる研修を受けている。

 このほか、エヌケイキャブ(横浜市磯子区)や
三和交通(同市港北区)など
神奈川県生活支援ネットワーク協同組合(同市磯子区)に
参加するタクシー会社16社も事前登録して利用する
「陣痛119番」を展開。
全国子育てタクシー協会(京都市南区)が普及を進める
「子育てタクシー」も出産時の移動に対応しており、
同協会の養成講座を経て
約140社がサービスを手掛けている。

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 ■専用ダイヤルで優先的に配車も

 新たにサービスを始める動きもある。

 「kmタクシー」で知られるkmホールディングス(東京都港区)は
3月10日、「マタニティ・マイタクシー」
(対象エリア=東京23区、武蔵野市、
三鷹市、横浜市の一部)をスタートした。
会員登録して利用するが、専用ダイヤルが用意され、
混んでいる時間帯でも優先的に配車される。
乗務員は普通救命講習や助産師による講習などを
受けており、「安心」を前面に打ち出す。

 東京無線協同組合(新宿区)も2月、
「プレママ安心タクシー」(対象エリア=東京23区、
武蔵野市、三鷹市)を開始。
登録や利用は「順調に伸びている」(同組合)という。
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