あなたの近所にもいるかも? 「保育ママ」ってどんな人?


SUUMO ジャーナル
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「保育ママ制度」というのをご存じだろうか?
 保育ママ(家庭的保育者)と呼ばれる人が、
自宅などで主に3歳未満の子どもを保育するシステムだ。
保育ママ1人につき、子ども3〜5人までを
受託することが可能だという。
保育園不足が叫ばれるなかで、
子どもの預け先のひとつとして、
この保育ママが注目されている。

保育ママの資格などについて、
NPO法人・家庭的保育全国連絡協議会の
水嶋氏にお話を伺った。
「保育ママは、保育士や教員、助産師、
保健師、看護師などの資格を持っていることが基本です。
そうでない場合は、講義と実習による認定研修を受け、
必要な知識や技術を身につけることで
保育ママに認定されます。
また、保育をする場所は保育ママの自宅というケースが多いですが、
広さ・設備について細かい規定があります。
例えば、3人の保育を行う場合、
保育専用の9.9平方メートル(約6畳)以上の部屋があること、
キッチンやトイレが衛生的であること、
採光や照明が十分であること、などです。
さらに、子どもたちが外で遊べるような場所
(自宅の庭、近所の公園など)
を確保することも必要です」

ちなみに、研修の内容や保育ママの認定方法は
各自治体によって違う。
例えば静岡県では、保育士などの資格がない場合、
基礎研修として講義(21時間)+実習(2日間)、
認定研修として講義(40時間)+実習(20日間と48時間)
が必要となる。
こうしたしっかりとした研修を受けることで初めて保育ママになれるわけだ。

では、保育ママを利用するメリットはどういったところにあるのだろうか。
「少人数保育なので病気になりにくく、
また年齢・月齢、発達状況などに応じた
きめ細やかな保育を行うことができるのが強みです。
また、同じ保育者がずっと子どもを見ることができますし、
子ども同士も兄弟のような関係を体験できるので、
非常に家庭的な雰囲気といえます。
そのほかにも、地域の行事に参加したり、
公園などで地域の方と交流したりできることから、
子どもが地域と関わりを持って育つことができます」

一方で、保育ママには〝独りよがりの保育〟
〝密室の保育〟といったイメージが付きやすい、
というデメリットも。
「保育の様子を第三者が見ているわけではないので、
どうしても独りよがりになる…、
といったマイナス面がひと昔前はありました。
しかし最近は、補助者を募って複数人で保育を行ったり、
保育所との連携保育制度により、
保育所からの情報提供や行事参加などの
交流の場を設けたりすることで、
そういったデメリットをカバーすることができています。
また、保育ママ同士の交流や、保育ママ認定後の研修もあり、
保育の質の向上に常に気を配っています」

最後に、今後の保育ママの方向性について
水嶋氏に語っていただいた。
「単なる待機児童対策ではなく、
集団保育とは違ったひとつの保育の形として、
保育ママの良さを広く伝え、
発展させていきたいと考えています。
未来を担う子どもたちのためにも、
保育ママ制度が全国的に周知され、
社会に役立てるよう、我々としても活動を続けていきます」

現在、保育ママの数は全国で約1100人ほどで、
保育ママの利用者は約2,600人。
一方で国は、利用者数を2014年をめどに
1万9000人にまで増やしたいとしている。
今後は、保護者が、子どもや家庭状況に応じた保育を
自由に選べるような環境づくりが期待されている。
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