県児童科学館に50万人 「遊びながら学ぶ」が定着

福井新聞
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 福井県坂井市春江町の県児童科学館
(エンゼルランドふくい)の昨年度来館者が50万人を突破した。
子どもの健全育成と「宇宙・科学」に対する
目を養うことを重点に、趣向を凝らしたイベントや企画を展開。
子どもはもちろん家族が楽しく学べる場、
安心して遊ぶことができる場として定着している。

 県児童科学館は科学、文化、遊びの機能を融合させた施設で
1999年6月にオープン。
約5万5千平方メートルの敷地に
本館や大型遊具が配置されている。

 宇宙飛行士として知られる毛利衛さんが名誉館長を務め、
これまでに講演や授業を開いている。
宇宙服を着たり、月面と同じ6分の1の重力を体験できたりと、
子どもたちが宇宙へ関心を持つ
きっかけづくりの役割を担っている。

 本館は北陸最大級の規模という
直径23メートルのドーム型スクリーンを備え、
プラネタリウム投影や映画が上映できる。
太陽光、風車から自然のエネルギーを取り込み、
エネルギー保存やヒートポンプの仕組みなどを
分かりやすく紹介する「太陽と風の砦(とりで)」は、
子どもと一緒に大人も学べる。

 屋外は「こどもの雲」「こどもの村」といった
アスレチック要素を取り入れた大型遊具が並ぶ。
芝生が広がり、家族連れや孫を連れたお年寄りでも
安心して子どもたちを遊ばせる場になっている。
他県では見られない広大な敷地のおかげである。

 来館者は主に嶺北地方からが多い。
県外も2割を占め、石川県の団体客が
バスを利用してやってくる。
イベント目当てに関西から足を運ぶ人たちもいるというから、
魅力ある施設として県外にも認知されているといえよう。

 来館者数は初年度の32万人から徐々に増え、
2006年度40万人を突破。
10年度45万人、11年度は48万人を記録し、
500万人を達成した。
昨年度は前年を約2万2千人上回り、
初めて50万人の大台に乗せた。

 春休みや夏休み、ゴールデンウイーク期間中は
休館日を設けず、主役の子どもを受け入れる体制も
児童館ならではだ。
しかも駐車料金、入場料(一部を除く)は無料と、
お金をかけずに楽しめるという手軽さも魅力の一つだ。

 全国から足を運ぶ県立恐竜博物館は別として、
年間50万人以上が訪れる施設は県内にそう多くはない。
来館者のアンケートを基にニーズを把握し、
企画やイベントに生かすなどソフトの充実が、
多くのリピーターを呼び込んでいるといえよう。
「科学する心」を養うという取り組みが、
結果として入館者の増加につながっている。

 理科離れが叫ばれ、科学技術を支える
人材確保が課題となっている。
子どもたちが「なぜ」「どうして」という疑問を抱き、
新しい発想や考えにたどり着く。
「遊びながら学ぶ」という県児童科学館の原点といえるだろう。
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