病児保育NPO 一人親家庭向け低料金サービス


YOMIURI ONLINE
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 病気の子どもらを世話する病児保育の
NPO法人「ノーベル」(大阪市北区)が今月、
一人親家庭向けに、通常よりも低い利用料で
会員制のサービスを始めた。
府内の一人親家庭は全国で最多。
親が非正規雇用者で所得が低い世帯もあり、
「子どもの急病で欠勤が続くと解雇され、
生活していけない」との声が寄せられていた。
利用料では足りない運営費を集めるため、
同法人では寄付を募っている。(大西順也)

 子どもが病気になった時に元保育士や育児経験のある女性ら
保育スタッフを自宅まで派遣する。
大阪市内と吹田市南部の生後6か月~小学生がいる
一人親家庭(夫婦別居や離婚裁判中なども含む)で、
年収300万円以下または児童扶養手当を受給する世帯が対象。
月会費1050円、月の初回無料、2回目以降1時間1050円。
平日午前8時~午後6時半(初回無料分は同5時半まで)、
延長プランもある。利用は2年。

 同法人は、代表の高亜希さん(33)が
2009年11月に設立。
保育スタッフが、保育所などで預かってもらえない
病気の子どもの自宅を訪ね、世話してきた。
スタッフ1人が子ども1人を見るため人件費がかかる。
病気になる時期もわからず、利用の見込みが立たない。
このため、月会費4725円以上と
2回目以降の利用料1時間1575円のほか、
入会金1万5750円を設定している。

 一方、10年の国勢調査などによると、
大阪の一人親家庭は約7万3000世帯。
このうち母子家庭が9割を占め、
働いて得た収入は平均181万円(11年度)。
同法人の会員約270人のうち一人親家庭は約1割だが、
低価格の病児保育を必要とする声が強かった。
入会していないシングルマザーから突然、
「子どもが熱を出して預け先がない。
明日仕事を休むとクビになる」と
電話がかかってきたこともあった。

 高さんは「地域で孤立し、周りにSOSを発信できない
一人親家庭を支援する仕組みが必要。
寄付を広く募ることで、社会全体で子育てをする
意識を広げたい」と話している。

     ◇

 一人親家庭向けサービスへの寄付は、
月に1000円、3500円、7000円の3種類。
問い合わせは同法人(06・6940・4130)。
寄付の申し込みはホームページ
(http://nponobel.jp/contribution/ouendan_menber/)から。

 ◆人件費かさみ赤字運営多い

病気や病気回復期の子どもを預かる病児保育は、
感染症の流行期などには深刻な施設不足に陥る。
その一方で、人件費や施設維持費がかさみ、
赤字運営が多い。

 厚生労働省によると、病院や診療所、保育所の併設型と、
自宅への訪問型などがある。
昨年度、国の補助金を受けた施設は全国で1609か所、
利用者は延べ約49万人。政府は14年度中に
200万人の受け入れ態勢を整える計画だが、
見通しは厳しい。
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