【静岡】育児ママの再就職支援 県が保育士資格取得後押し

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◆今夏スタート

 育児中の母親の再就職を支援しようと、
静岡県は育児をしながら保育士の資格が取れるよう
後押しするモデル事業に乗り出す。
「子育て」を仕事に結びつけ、将来の保育士需要増加を見据えた
人材育成のほか、出生率の向上にもつなげたい考えだ。

 事業は原則、未就学児を育てている母親が対象。
保育士の筆記試験対策として、
県が作った保育ママ認定研修用のDVDを無料で貸し出すほか、
託児付きの講座を開いて母親の疑問に答える。

 家庭での習得が難しい筆記試験の「保育実習理論」と
実技試験対策には、事業に協力する保育所で歌や工作、読み聞かせなど
合計八時間程度の実務を体験。
大勢の子どもたちと触れ合いながら
保育士から直接学ぶ機会を設ける。

 六月から事業に協力する県中東部の二市で
十人ずつ参加者を募集し、夏ごろスタートする予定。参加費は無料。
県は今回のモデル事業でニーズを確かめ、
参加者の意見を踏まえて来年度以降の事業化を目指す。

 今年は既に受験申請の受け付けが終了しており、
参加者は来年以降の試験に挑むことになる。

 県健康福祉部の堀内智子理事(少子化対策担当)は
「育児の経験が自分の仕事にも
プラスになるという実感を持ってもらいたい」と説明。
育児中の母親の孤立化を防ぐ狙いもあり、
宮城島好史部長は「目標を共有することで一緒に勉強するなど、
お母さん同士のつながりも広がれば」と期待している。

(唐沢裕亮)

  <保育士試験>  
筆記と実技の試験があり、それぞれ満点の6割以上の得点で合格。
例年8月に行われる筆記試験は「保育原理」や
「児童家庭福祉」などマークシート方式の8科目。
各科目とも合格は2年間有効。
全科目の合格者だけが例年10月に実施される実技試験を受けられる。
実技は課題曲の弾き歌い、絵画表現、
3分以内の童話語りの3分野。
昨年、県内の筆記試験全科目合格率は
約21%で実技は約86%だった。
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