市立保育所を民営化へ、市が利用者ニーズ対応基本計画まとめる/厚木


カナロコ
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 増加、多様化する保育ニーズなどに対応するため、
厚木市は市立保育所を民営化する基本計画をまとめた。
市立保育所は2015年度を目標に最初の1施設を民営化し、
将来的にはすべてで民営化を推進する。
すべてを民営化した場合の財政効果は、
年間総額3億6500万円と試算している。

 現在、市内の認可保育所は市立が6施設、民間が17施設ある。
すべて同じ基準で運営され、提供される保育サービスも同じだが、
市立は国、県の補助金が受けられない。

 このため、市の財政負担軽減や人材の有効活用のほか、
開所時間など利用者のニーズに柔軟な保育サービス推進の観点から、
民営化への必要性が指摘されていた。

 市立保育所の在り方について、
市は2008年に外部評価委員会から
「見直し」と民間委託への検討をすべきとの評価を受け、
09年から検討会を開催。
最終的に12年の「市立保育所在り方等検討委員会」で、
すべての市立保育所が民営化の対象とする提言がなされた。

 提言では、早期に民営化が実施できそうな施設として、
「厚木」「もみじ」「南毛利」の3保育所を挙げている。
市では夏までに実施計画を策定、
民間移行する施設を庁内で検討していくとしている。

 このうち厚木保育所は、市が進める本厚木駅周辺の
「中心市街地の公共施設再配置計画」の対象施設となっており、
実施計画との整合性も図る。
再配置計画では民間設置・民間運営を基本とした移転となっており、
移転先としては現在の勤労福祉センターの敷地を
候補地の一つとしている。

 市の試算では、6保育所すべてを民営化した場合、
年間総額3億6500万円の財政効果があるとしている。
これを財源に在宅保育を含めた子育て支援に充てる考えだ。
また、民営化する市立保育所の保育士は
ほかの市立保育所に異動させる。
市はすべての民営化には10年以上かかるとみており、
その間に各保育所の正職員の割合を増やしていく。

 小林常良市長は21日の定例会見で民営化について、
施設関係者や保護者らへの説明を重ね、
理解を得ながら「慎重に進めていく」点を強調。
保育所の在り方については
「公設だけでいいのか。待機児童ゼロを目指す中で
民間にやってもらう考え方もある」と述べ、
民間参入を基本方針とし、家庭で子どもを預かる
家庭保育福祉員制度など、現在実施している
ソフト面の政策も併せて説明した。
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