児童の俳句 歳時記に


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 「雪だるま カーテンあけたら わらってた」――。
俳句が盛んな新潟県柏崎市立半田小学校で、
子供たちが詠んだ俳句を歳時記に
まとめる取り組みが6年前から続いている。

 昨年度は全校児童412人が投句し、
俳句数は約3300句に上った。

 同校で俳句熱が高まったのは2007年、
近くに住む俳句好きの主婦、真貝洋子さん(70)が
「何か地域に役立てないか」と当時の校長に相談し、
ボランティアでの指導を依頼されたのがきっかけとなった。

 「半田小学校俳句歳時記」は、
投句された全ての句を季語ごとに分類したもの。
児童らが日々感じることを記録する貴重な資料となっており、
「夏休み・暑中休暇」や「クリスマス・聖夜」の項目には
毎年数ページ分の投句が集中する。
池田和弘校長(55)は「言葉に対して
子供たちの関心が高まっている」と語る。

 真貝さんは現在、ボランティア指導のほか、
月間賞の選定や歳時記の編集も行う。
学校に俳句の習慣が根付くにつれて歳時記の分量は多くなり
負担も重くなっているが、
「子供たちの感性に教えられることも多い」と笑顔で話す。


 子供たちが作句する場所として人気なのは校長室で、
多いときには10人弱が集まる。
中庭が見えてアイデアが浮かびやすいからだという。

 校長室に通い詰める5年生の大平心桜こころさん(10)は
「俳句を始める前は、虫が飛んでいても何も感じなかったけど、
今ではどう飛んでいるのか、どんな格好なのかに目がいく」と笑顔で語る。

 完成した俳句は、学校の玄関にある赤いポストに投函する。
担当する浜田慎也教諭(25)は
「投句用の紙がすぐになくなってしまう。
俳句のおかげで、季節の変わり目や、
自然を観察する目が子供たちに育っていると思う」という。
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