【富山】多子世帯の子育て支援 県、今秋までに対策


中日新聞
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経済的負担減など協議

 三人以上の子を持つ「多子世帯」の負担を軽減しようと、
子育て家庭の支援策を考える県の会議が
二十日、県民会館(富山市新総曲輪)であった。
一人目の出産年齢の平均が県は全国三十六位だったことなどが報告され、
子育てでの経済的負担の軽減や
父親らの育児参加などの方向性を協議した。
今秋までに二回開催し、支援策をまとめる。(石井真暁)

 富山大経済学部の中村真由美准教授が、
二〇一一年に実施した出生比率調査を報告。
県では一人目の出産年齢が平均二九・九歳、
二人目は三十二歳で全国三十七位、三人目が三三・七歳で四十四位だった。
初婚年齢と三人目を産んだ年齢との差は平均四・九歳で、最下位となった。

 中村准教授は「一人目の出産年齢を下げたり、
出産間隔を短くしたりする施策が重要」と指摘し、
これらを実践するため企業にも
子育て対策を拡充するよう働き掛けることなどを提言した。

 県が先月、子を持つ五十三人から聞き取りをした調査結果も報告された。
さらに子を産むときの課題に子育てや
教育での金銭的不安を挙げる人が25%、
子を産むために必要な政策に保育料の支援や
軽減を挙げる人が18%だった。

 委員からは「中高生から、
子を産む時期を考えさせる教育が必要」や
「“イクメンもどき”が増えている。
セミナーだけでなく、日常的に育児をする父親を増やしたい」
などの意見があった。
石井隆一知事は「(仕事で)女性に活躍してもらいながら
出生率を上げるために、
いろんな施策の組み合わせが必要で努力したい」と話した。

 会議は、知事の諮問機関である
県子育て支援・少子化対策県民会議に設けられた
「子育て家庭に対する支援策検討部会」で、今回が二回目。

図柄に子ども3人以上

県、パンフなどで使用開始

 県はパンフレットや会議用資料などに、
子ども三人以上を描いた家族のイラストを使い始めた。

 一月の子育て家庭に対する支援施策検討部会で
「パンフレットなどで使われるイラストは、
子ども二人というものが多い。
三人以上が標準と思えるようにしてほしい」と提案があったため。
県児童青年家庭課が会議後、
庁内の各課に子ども三人以上の図柄を使うよう要請した。

 二十日の検討部会では、委員から
「パンフレットなどの子どもの数が、
三人になっているのでよかった」との声が聞かれた。
 (石井真暁)
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