コケ緑化パネル屋上に、夏も涼しく 多賀のNPO、保育園に設置


京都新聞
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 コケで表面を覆った琵琶湖のヨシ製の緑化パネルが、
滋賀県多賀町の保育園屋上に今春設置された。
自然の素材を生かしつつ管理もしやすく、
夏の強い日差しから建物内の温度上昇を
抑える効果が期待されるという。

 コケとヨシのパネルは、コケ栽培で地域おこしを目指す
町内のNPO法人「モスグリーンEco」が4年前に開発。
省エネ分野での普及を目指し、
地元の多賀ささゆり保育園(同町多賀)屋上の
約40平方メートルに敷き詰めた。

 一枚約30センチ角で、水質浄化作用を保つため
湖岸で刈られたヨシを4層に重ね、
町内で育てたスギゴケを表面に定着させた。
朝露などを吸収して育つスギゴケは乾燥に強く、
水やりなどの手間がほとんどかからないという。

 滋賀県立大(彦根市)との共同実験では、
コンクリート屋根に敷くと建物内が6度近く下がり、
建材樹脂パネルの2倍近い効果があったという。
同園では空調を抑えつつ快適に過ごせるよう、
園児が昼寝をする保育室の上部分に設置した。

 同法人はコケ栽培を地元の授産施設などに委託しており、
パネル普及で障害者の仕事増にもつなげる。
大辻誠男理事長は「省エネ効果が高く、軽量で設置も容易。
公共機関を中心に広めたい」と話す。
同法人TEL0774(72)7697。
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