【富山】要支援の児童生徒 4.5倍


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 小中学校の通常の学級に在籍し、
軽度の知的障害や発達障害の可能性があるため
特別な支援が必要とされる児童生徒が、
2012年度に10年前の4・5倍の932人に上ることが
県教育委員会のまとめで分かった。
県教委は県立特別支援学校を新たに相談や
情報提供の窓口と位置づけ、障害のある児童生徒のいる
小中学校の支援に乗り出す。

 県教委によると、知的や身体などの障害があり、
特別支援学校に通う児童生徒は全国的に増加傾向にあり、
県内でも特別支援学校(小中高)の在籍者は
02年度の1019人から12年度は1・19倍の1209人に微増。
一般の小中学校内に設けられた
特別支援学級の在籍者も02年度の523人に対し、
10年間で2・21倍の1156人に膨らんだ。

 通常学級の在籍者の中にも、自閉症、学習障害(LD)、
注意欠陥・多動性障害(ADHD)といった
発達障害を抱える児童生徒の存在が指摘されており、
文科省は昨年12月、公立小中学校で全体の
約6・5%いるとする調査結果を発表している。

 県内では、県教委が「通常の学級に在籍し
特別な支援が必要」とした児童生徒は、
02年度が207人、04年度が234人、06年度が291人だったが
最近は急増しており、10年度は628人だった。

 こうした児童生徒が通常学級に在籍しているのは、
人材やスペースが足りず、特別支援学級を設けられない
学校側の事情があるほか、日常生活には影響が少ないと
考えられているケースもあるという。

 「数字や図形は得意なのに読み書きができない」
「じっと座っていられず突然大声を上げる」
「反応が乏しくコミュニケーションが難しい」。
発達障害の可能性が指摘されるこうした児童生徒の行動は、
「落ち着きがない」「怠けている」などと誤解され、
適切な指導を得られない場合もある。

 県教委は、支援が必要とされる通常学級の児童生徒が増加する中、
小中学校での適切な指導のため県立特別支援学校を地域の窓口として、
特別支援教育に関する相談体制などを強化するとしている。
県立学校課は「一般の教諭はこうした生徒の指導経験が少なく、
対応にとまどうこともある。
特別支援学校で蓄積したノウハウを
地域の小中学校で生かせれば」としている。
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