赤ちゃんポスト 12年度・自宅出産が4人も


YOMIURI ONLINE
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 熊本市の慈恵病院が運用する
「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)について、
熊本市は22日、2012年度の利用状況を発表した。

 07年5月の運用開始後、2番目に少ない9人だったが、
自宅出産後に預けるという母子の生命に
影響を及ぼしかねない危険なケースも
後を絶たないことも明らかになった。

 発表によると、12年度に自宅出産した後に預けられた子どもは、
いずれも生後1か月未満の4人。
11年度も3人が自宅出産だったという。

 市の発表では、この1年間の利用状況に対する
市の専門部会の総括も示された。
自宅出産に関しては、「預け入れを前提とした
自宅出産は非常に問題。
新生児を移動することの危険性と併せて
啓発が必要だ」との指摘があったという。

 同日、記者会見した慈恵病院の蓮田太二理事長は、
預け入れが過去2番目に少なかったことに関し、
24時間体制で電話相談に応じていることが
功を奏したと受け止めた。

 同病院はフリーダイヤルで電話相談に応じている。
相談件数は増加傾向にあり、
12年度は過去最多となる1000件の相談が寄せられた。
相談の結果、これまでに198人が自分で育てる道を選び、
167人の子どもが、ゆりかごに預けることなく、
里子に出されたという。

 蓮田理事長は自宅出産について、
「ゆりかごがあるからそうしたのではなく、
匿名で出産を引き受けてくれる所がないからだ」と指摘。
預け入れ人数が減少傾向にあることに関しては、
「電話相談で救われているからではないか」と話した。
(出水翔太朗)
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