教育再生、安倍カラー前面 教授会の権限縮小 伝統教育を重視


msn産経ニュース
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 政府の教育再生実行会議(鎌田薫座長)の第3次提言は、2つの安倍カラーが出た。
一つは大学教育のグローバル化、もう一つは伝統教育の重視だ。
特に、「大学自治」を振りかざして大学改革に消極的な教授会については、
役割を厳格にすることで、学長主導の大学改革を後押しする狙いがある。

 教授会は、カリキュラムの設定、学生の処分や入退学の決定、
教授の採用に深くかかわり、大学の運営に存在感を示してきた。
学校教育法には「大学には重要な事項を審議するため
教授会を置かなければならない」とあり、
ある大学関係者は「『重要事項』を拡大解釈して
大学を事実上支配してきた」と説明する。

 提言は、「教授会の役割を明確化し、
学校教育法等の法令改正の検討や学内規定の見直しも含め、
抜本的なガバナンス改革を行う」とした。
教授会の権限を弱めることを通じ、
グローバル化や組織改革で大学の生き残りを図ろうとする学長が
リーダーシップを発揮しやすい環境を整備するねらいがある。
今後、教授会を学長への助言機関に変えることなどが想定される。

 また、鎌田座長は28日、首相官邸で記者団に
「(提言では)日本人としてのアイデンティティー確立や
日本文化発信に関する記述を強化した」と説明した。

 提言は、真の国際人は外国語で日本の文化を
紹介できる人物であるとの基本理念を打ち出した。

 その上で、小中高校を通じて「国語教育や
わが国の伝統・文化についての理解を深める取り組みを充実する」と明記した。
英語で日本史や茶道を学ぶことが想定される。
素案の段階にはなかった「日本文化について
指導・紹介できる人材の育成や指導プログラムの
開発等の取組を推進する」との記述も加えた。(内藤慎二)
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