園芸保育 園児も伸び伸び 月形

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 【月形】月形町花の里保育園が、年間を通して植物の栽培に取り組む
「園芸保育」に力を入れている。
購入した苗の植栽や収穫体験にとどまらず、
苗づくりや収穫後の畑の片付けまでも園児が参加するのが特徴。
園芸保育を体系化したいと、保育士から花卉(かき)農家に転身した、
町内在住の春木佐栄子さん(52)が指導に当たっている。

 同園が園芸保育を始めたのは昨年4月。
12月までの月1回、春木さんが同園を訪れ、園児の活動をサポート。
今年は年中と年長組が取り組んでいる。

 花や野菜を育てる活動は一般的だが、
春木さんが考案したプログラムは「循環」がポイント。
種をまいて苗をつくり、畑にその苗を植えて収穫し、
そこから種を採取して翌春に植える―というものだ。
収穫後の畑を次の年に向けて整地する作業も、園児が自ら行う。

 同園も以前は、買った苗を植え、収穫体験を行っていた。
だが、園芸保育を始めてから「毎日苗を見に行ったり、土を触って
『乾いてるから水をあげよう』と言ったり、関心を持つ子が増えた」
(豊田揺子(あゆこ)園長)という。

 20年以上保育士をしていた春木さんは園芸を保育に取り入れたいと考え、
まずは自らが植物を知るため2006年に夫とともに札幌から月形に移住。
2年間の研修を経て花卉農家となった。

 初年度の取り組みを通して、「(野菜や花が)日々成長するのを見たり、
手入れしていても枯れてしまうことを経験することで、植物が命あるものと知る。
活動を通じ責任感や探究心が自然と育まれていく」と春木さん。
冬には札幌や東京など4都市で研修会を開き、
園芸保育を広めていきたいという。(坂本有香)
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