不登校児童生徒が半減 岡谷市教委調査

Nagano Nippo
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 岡谷市教育委員会がまとめた昨年度の不登校の児童生徒数は22人で、
前年度比で23人減とほぼ半減した。
全児童生徒数に占める不登校の割合を示す在籍比は0.50%で0.51ポイント改善した。
市教委は「最重要課題として取り組んできた成果」とし、
09年12月に立ち上げ、いじめや不登校問題に集中的に取り組んできた
「市不登校児童生徒支援チーム」を今年度から「市子ども教育支援チーム」に改編。
自己肯定感の向上など広い視点から子どもの自立を支援する。

 市教委によると、昨年度に病気や経済的な理由以外で
年間30日以上欠席した児童生徒の内訳は小学生が4人(前年度比3人減)、
中学生が18人(同20人減)となった。
在籍比は小学生が0.14%(0.1ポイント減)、
中学生が1.18%(1.26ポイント減)だった。

 同市の不登校の児童生徒は2005年度から急増し、
08年度の中学校の在籍比は5.08%で、当時県内で最も高く、
09年度も4.80%で県内最大だった。
これを受け、市教委は不登校児童生徒支援チームを発足させ、
不登校の芽を摘むチェックリストを岡谷市独自で作成し、要因を探った。

 11年度は関係機関との調整や相談支援の窓口となる
「子ども総合相談センター」を開設し、
教室に入れない生徒の居場所になる中間教室を市内4中学校に設置した。
また、学校だけでは解決が難しい場合に対応する
スクールソーシャルワーカーの派遣を拡充。
今年度は臨床心理士で特別支援教育士の専門カウンセラーを配置した。
4中学校では生徒会が主導する
「子どもたちによるいじめ根絶運動」が続いている。

 支援チームの改編に合わせ、教育長を本部長とし、
小中学校、養護学校の代表者、子ども教育支援相談員でつくる
「市小中学校いじめ・不登校対策委員会」も
「市小中学校子どもの自立支援委員会」に改めた。
同チームの研究、協議の成果を生かしながら、
いじめ・不登校問題、教職員の資質向上、
児童や生徒の人権意識の高揚などにも努める。
今年度は教職員への研修や児童生徒に対する
個別の養育訓練などを検討している。

 岩下貞保教育長は「自分が認められている、
周囲に必要とされていると実感できる、
そんな子どもが育つ学校教育を目指したい」と話した。
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