児童虐待で県警に通告、過去最多の2976人/神奈川

カナロコ
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 県警が昨年1年間に虐待が疑われるとして児童相談所(児相)に通告した
18歳未満の児童数が前年比959人(47・5%)増の2976人に上り、
統計を取り始めた2006年以降で最多だったことが20日、県警のまとめで分かった。
殺人や傷害、暴行容疑などで立件したケースも16件増の31件で、過去最多を更新した。

 県警少年育成課は通告児童数が増えている点について
「各地で痛ましい死亡事例が発生する中で、県民の虐待への関心が年々高まり、
県警への相談や通報が増えている」と指摘。
立件数が最多になった背景については
「相談できる相手がおらず、親が育児のストレスから虐待してしまう例も多い」
と分析している。

 児相に通告した虐待の種類別で最も多かったのは、
暴言や子どもの目の前で配偶者に暴力を振るう
「心理的虐待」で2030人(前年比765人増)。
次いで、「身体的虐待」が634人、
育児放棄で食事を与えないなどの「怠慢・拒否」が290人と続いた。

 児相に通告して刑事事件となった31件の内訳は、
傷害11件、強制わいせつなど性的虐待10件、暴行6件、殺人(未遂含む)4件だった。
検挙された31人のうち、実母(11人)と実父(10人)が全体の67・7%を占めた。

 通告児童数は今年に入ってからも増加傾向にある。
今年1~5月の通告人数は前年同期比166人増の1286人で、
昨年を上回るペースで推移。全体の69・9%に当たる899人が「心理的虐待」だった。
警察が児童を保護した上で児相に通告する
「身柄付通告」は前年同期比31人増の120人に上った。

 今年5月には、夜に出歩いていた女児(6)を保護し、
児相に照会した結果、弟がいることが判明。
室内に置き去りにされて泣いていた弟(2)を発見し、
2人を身柄付通告した事例があった。
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