児童らの赤トンボ調査本格化 勝山、網で捕獲しマーキング

福井新聞
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 6月も下旬を過ぎて福井県勝山市内の田んぼでは、
赤トンボの羽化がピークを迎えている。
市ぐるみで取り組む「赤とんぼと共に生きるプロジェクト」の生態調査が、今年も本格化。
27日には市内小学校で児童たちが虫取り網を手に田んぼに飛び出し、
トンボを捕まえては羽にマークを入れた。

 プロジェクトは、赤トンボが舞い飛ぶ風景を守ろうと2011年度にスタートした。
小学校や団体・企業などから市民約100人が参加して進めている生態調査では、
2年連続で夏場に平地から高地への移動を証明している。
本年度は、秋に高地から平地への移動が立証できるかがポイント。

 7月上旬までの羽化シーズンは、田んぼ1×10メートル当たりのヤゴの抜け殻数を調べ、
羽化したトンボは羽にマーキングして放す。
夏場は高地でマーキングし、秋に再び平地で調査。
赤トンボの数や分布、移動ルートを解明する。

 同市三室小では3、4年生を中心に24日に調査を始めた。
抜け殻の採取は毎朝、当番を決めて交代で田んぼを巡回。
午前の長い休み時間には、ほぼ全員が虫取り網を持ってマーキングする。
今シーズンは千匹が目標だ。

 27日は3、4年生8人が総合学習の時間に、学校前の田んぼに繰り出した。
30分ほどの間に100匹以上捕まえ、羽にマークを入れた。
小池竣也君(3年)は「水中にいたヤゴから、
倍くらいの大きいトンボが出てきて空を飛ぶのが面白い。
今週がピークなので、いっぱい捕りたい」と笑顔を見せた。

 担任の臼井孝礼教諭(29)は、赤トンボ調査の指導は初めて。
「活動が継続しており、児童たちはトンボを見てすぐに種類を言い当てられる。
赤トンボを通して地元の自然の豊かさを知り、好きになってくれたら」と目を細めていた。

 鹿谷小も27日、全校児童が学校周辺の田んぼで活動した。
トンボだけでなく、トノサマバッタの脱皮や大きなカエルなど
田んぼの多様な生き物に大はしゃぎしていた。
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