待機児童29市町村「ゼロ」 ちばぎん総研受託調査部主任研究員・大矢麻里江

msn産経ニュース
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 先日、横浜市が待機児童数ゼロを達成したと発表した。
千葉市でも4月1日現在で、昨年同期の待機児童数123人を
32人まで減らすことに成功した。
保育ニーズが一層の高まりを見せる中、
保育所の新設や入所定員の弾力化などを行い、
大幅な定員増に取り組んだ結果といえる。

 一方で、市川、船橋、浦安の各市では待機児童数が40人以上増加。
都市部では100人を超えた市も複数あった。
我孫子、茂原、君津など、「ゼロ」も29市町村あったが、
県全体ではいまだ1340人おり、前年度比12人減の微減にとどまる。
削減は道半ばだ。

 今年度の県予算には保育所整備に10億円、
保育士人材確保に6億5300万円が計上された。
また、待機児童数が県内最多(336人)の市川市では
10施設を新たに設置し480人の定員増を図るなど、
待機児童数の削減は今や行政に課せられた大命題である。

 少子高齢化が進み、地域間で若年世代の奪い合いが加速するなか、
認可保育所へ入れるようにすることは有効な施策の代表ともいえ、
待機児童数ゼロは大きなアピールポイントになる。
保育サービスの充実は市町村にとって、
人口維持のために欠かせない施策となっている。

 県内自治体の中には、出産前から保育所入所予約ができるところや、
保育料を厚生労働省が基準としている水準の半分程度に抑えているところもある。

 ただし、最も大切なことは子供が安全に保育され、健やかに成長すること。
私もわが子を優しく、時に厳しく保育してくれる先生方のおかげで
毎日仕事に集中できている。
保育所整備や定員増は行政の仕事だが、
保護者も目先の待機児童数に惑わされず、
安心して預けられる保育所や環境を見抜く力を身につける必要がある。

  ■千葉県内各市の待機児童数(25年4月現在)

      【待機児童数】  【常住人口】

千葉市    32       962424

船橋市   227       612549    

松戸市    91       479918   

市川市   336       468318   

柏市    117       404949   

市原市    86       277627   

八千代市   18       189695   

佐倉市    47       171938   

流山市    57       167699   

習志野市   47       165399   

浦安市    82       162489   

野田市     6       155170   

我孫子市    0       131948   

木更津市   10       130811   

成田市     6       129784   

鎌ケ谷市   39       108522   

茂原市     0        90832   

印西市    48        90517   

四街道市   36        88621   

君津市     0        87804   

県合計 1340       6184553  

           (県の発表資料から作成)
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