「病児保育の拡充を」、医師が署名を提出/川崎

カナロコ
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 病気になった乳幼児を保育所に代わって預かる「病児保育施設」の拡充などを求め、
川崎市内で唯一、同施設を運営する医師が20日、
川崎市議会の浅野文直議長宛てに1万2815人の署名とともに請願書を提出した。

 共働きの子育て世帯が増え、病児保育施設や回復期の子どもを預かる
「病後児保育施設」のニーズは高まっている。
川崎市は来年度、中原区内に病児保育施設を1カ所を新設する計画だが、
16カ所ある横浜市に比べて遅れている。

 請願を提出したのは、川崎市高津区内で小児科医院を開く医師で、
「病児保育を考える親の会」代表の北浜直さん(36)。
「働く親が安心して子育てできる環境をつくることが、少子化対策になる。
自分ができることを」と昨年10月、川崎市内で初めてとなる
病児保育施設「ブルーラグーン」を小児科医院に併設。
週4日、午前8時半から午後6時まで最大6人を預かる。
1日2500円の利用料を取っているが、看護師や保育士の人件費などがかさみ、
半年で約600万円の赤字が出ているという。

 北浜さんは「このままでは数年でたちゆかなくなる」と話す。
一方で、1日10人程度のキャンセル待ちも出るほどニーズが高いことから、
病児保育施設の充実などを求める請願を出すことにした。

 請願では、病児保育施設は一部の民間施設が行うのみで、
現状では公的補助がなく、維持運営は極めて厳しい状況にあることを指摘し、
病後児保育施設の拡充と病児保育施設の整備を求めた上で、
民間の病児保育施設の支援も含め、
他都市並みの整備に向け幅広く検討することを訴えている。

 請願は開会中の市議会で常任委員会に付託され、今後審査される予定。
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