「児童生徒と信頼 困難」60%…千葉県内の若手教員

YOMIURI ONLINE
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 千葉県内の小中高校の若手教員の多くは、
児童生徒との信頼関係を築くのが困難と感じていることが、
県総合教育センターのアンケート調査で分かった。
近年のベテラン教員の退職の増加に伴い、
若手教員に経験を伝える教員が減ったことなどが背景とみられる。
同センターでは今年度、子どもたちとの関係づくりや
指導等のガイドブックを作成するなど支援に乗り出している。

 アンケートは同センターが昨年6月、教職経験6年目の
「5年経験者研修」を受けた教員429人を対象に行った。

 学級づくりを進める上で「困難を感じていること」を聞いたところ、
「児童生徒との信頼関係を築くこと」について
「とても思う」「ある程度思う」をあわせると60・4%に上った。
「児童生徒同士のよりよい人間関係を築く」も84・7%で、
学級内で良い人間関係を築いたり、築かせたりすることが
苦手な教員の姿が浮き彫りになった。
保護者との連携や対応を円滑に行うことについて
困難を感じている教員も78・3%と高かった。

 1970~80年代にかけて都市部で児童数が増加し、
それに伴い大量採用された教員の退職がここ数年続いている。
県教委によると、教員の退職は2008年度末の1328人から
12年度末には1605人で、新規採用も1245人(09年度)から
1618人(13年度)となっている。

 同センターでは、ベテラン教員の減少とともに、
職務が多岐にわたって多忙感の増す学校現場で、
教員同士が話し合う時間を取りづらいことも、
学級づくりなどのノウハウが若手に伝わりにくい要因と見ている。
若手教員に限らず、児童生徒や保護者との関係に悩むベテラン教員もいるという。

 こうした実態に対応するため、
同センターでは人間関係の築き方や学級づくりについて教える
「学級づくりガイドブック」を作成した。
「人間関係を育てる」「規範意識を育てる」「同僚・保護者との関係づくり」など、
それぞれの項目で必要な意識の持ち方や手法を掲載している。

 また、子供との信頼関係を築くための手法として、
子供が問題、課題への解決法を自ら考えるよう手助けする「コーチング」や、
叱るときに気を付ける点などを挙げた。
保護者との関係では、「途中で口をはさまず、
常に穏やかな対応を心がける」などの対応方法も示した。

 ガイドブックは各学校に配布し、今後、ガイドブックを用いた研修も実施する。
同センターの渡辺宗七カリキュラム開発部長は、
「教員としての姿勢や基本的な心構えなどの指針となれば」としている。
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