母親に寄り添い1周年 私設図書館「えにわのまなざし」 元保育士の一柳さん開設 子育てのアイデア300冊

Doshin web
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 【恵庭】発達障害や子育てに関する本のみを集めた私設図書館が、
市内の黄金北3にある。「小さな広場 えにわのまなざし」。
市内の元保育士、一柳美由喜さん(62)が開設し、7月で1周年を迎える。
ソファや飲み物、遊具もある家庭的な空間は、
「肩の力を抜いて楽しい子育てを」という思いが込められている。

 「えにわのまなざし」は約15平方メートル。
一柳さんが自宅の一部を改築して昨年7月に始め、開館日は誰でも自由に入館できる。

 蔵書は、一柳さんが保育士時代から集めてきた約300冊。
発達障害や自閉症の子供の力を伸ばすアイデアや子育ての楽しみ方など、
母親たちが迷ったりつまずいた時に役立つ本をそろえた。

 一柳さんは市内で約40年間、
保育士や子ども発達支援センターの職員として働き、一昨年に退職。

 その間、仕事に追われて子供とうまく向き合えなくなったり、
子育ての悩みを周囲に相談できずに悩む親たちを見てきた。

 図書館を開いたのは「お母さんたちが前向きに
子育てするための手伝いがしたい」との思いから。
一柳さんは「『こうすべき』という指南本は置いていません。
『こうでもいいんじゃない?』と母親に寄り添い、
子供が素直に力を伸ばせる本を選びます」と話す。
時には利用者に声を掛け、相談に乗ることもある。

 開設以来、延べ120人以上が来館した。
無料で利用できるコーヒーや紅茶、お湯も置いてあり、
弁当などを持ち寄って会話を楽しむママ友達のグループや、
うわさを聞いて札幌などから訪れる人も。
「でこぼこなのが人間。子供たちの個性を認めて、
あっという間に過ぎる子育ての時間を楽しんで」。
一柳さんは、本を手に母子に優しい「まなざし」を向けている。

 入館無料。開館は毎週水・木・金曜と第3土曜の午前10時~午後4時。
問い合わせは一柳さん(電)0123・33・9067へ。(斉藤千絵)
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