中国:通学5時間、深センから香港の幼稚園に通う園児1.6万人

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【中国】広東省深セン市から香港の幼稚園に通う園児が年々増え続けている。

 これらの園児は、香港で生まれたものの、両親が香港人ではない
「双非児童」と呼ばれる子供たち。
両親とともに深センで暮らしていたとしても、
中国政府が発行している香港居住許可の「居港権」を保有するのみで、
深センの戸籍は持たない。
このため深センの公立学校や幼稚園には通えず、
深センでは学費の高い私立学校やインターナショナルスクールにしか入れない。
こうした制度上の壁がある中、香港の高い教育を受けさせたいという親の希望もあって、
多くの「双非児童」が幼稚園児時から毎日4~5時間かけて香港まで通っている。
だがこの影響で深セン市から最も近い香港北区では、
幼稚園の定員が埋まり、現地に住む子供がほかの学区に通うという状況も招いている。
9日付で人民日報が伝えた。

 香港教育局の統計によると、中国本土から香港の幼稚園に通ういわゆる
「越境」園児の数は2012/13年度に1万6000人に達し、
1997年(500人)の30倍以上に増えた。
毎日の通学負担を考えて子供に本土の戸籍を取得させようと考える親もいるが、
中国本土の規定で「居港権」と本土戸籍を同時に持つことはできないため、
本土戸籍を手に入れるためには居港権を手放さなければならない。
居港権を手放したくないと考える親は、子供を「越境」園児とさせるか、
あるいは学費が高い深センの民間幼稚園に通わせるかのどちらかを選ばざるをえない。

 香港の教育水準や教育福利の高さも「双非児童」の親たちにとっては魅力。
香港統計局は毎年、域内の幼稚園に通う子供に補助金を給付している。
また香港国際社会服務社服務総監の張玉清氏は、
「香港の教育制度は公開・透明で、学習環境も公平公正。
子供の英語のレベルも高められる」とアピールしている。

 もっとも本土園児の増加が、現地の子供が幼稚園に
入園しづらい状況を招いていることも事実。
香港では生徒数が足りない学校も一部地域にみられ、
教育関係者からは教育資源を合理的に分配する措置を講じるべきと
香港政府に求める声が聞かれている。
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