張り込み経験生かす 札幌の探偵事務所が児童安全マップを作成

Doshin web
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 子どもたちを守ってあげたいと、札幌市の探偵事務所が市立大倉山小(367人)の児童向けに、
学校の周りで気を付ける場所を記した「安全マップ」を作った。
探偵ならではの視点を生かし、犯罪や交通事故から身を守るための細かな注意点を書き込んだ。
こうした試みは全国でも珍しいという。

 マップを作ったのは探偵事務所「ジグス」(中央区)。

 映画「探偵はバーにいる」や、漫画「名探偵コナン」などの影響からか、
「探偵が問題を解決してくれる」という認識が子どもや保護者の間で広まり、
最近はいじめに関する相談が増加。
不審者対策の問い合わせも多くなってきた。
代表の片上潤(かたがみじゅん)さん(53)は
「探偵が張り込みする所と、不審者が隠れる場所はほぼ一緒」と、
経験を生かすことにした。

 ジグスの連絡を受けた市教委の呼びかけに大倉山小が手を挙げ、
6月からマップ作りがスタート。
ジグスの探偵5人が携わり、4年生以上の児童や保護者、町内会役員合わせて
386人から募った情報を分析。
学校の了解を得て、登下校時の実態を児童に気付かれないように撮影もした。
交通指導員の目の届かない場所では、
児童は車道にはみ出して歩き、車とぶつかりそうになっていた。

 エリアごとに写真入りで記した注意点はこんな内容だ。

 「高い塀に囲われ逃げ場がありません。公園のトイレなどに不審者が潜んでいるかも」

 「歩道もなく速度を上げたままの車が多いので注意して路側帯を歩こう」

 同小の中村淳校長は「われわれも気がつかなかった視点が多く盛り込まれている。
地図を使った指導を繰り返して、自覚を促したい」と話す。

 制作費は無料。ジグスはこれまで釧路と小樽の小学校1校ずつに同様のマップを作った。
現在、札幌市内の1校向けに制作中だ。
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