子育て支援「質高く」 保育士など 新制度基本指針案

東京新聞
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 保育制度を大幅に変更する国の「子ども・子育て支援新制度」について検討している
子ども・子育て会議(会長・無藤隆白梅学園大学教授)は
二十六日、新制度の理念を定めた「基本指針」案を固めた。
子どもの視点に立ち、質の高い施策で「子どもの最善の利益」を
実現する社会を目指すとしている。
しかし「質」の高さに明確な定義はなく、今後決まる基準や、
指針を基に市町村がつくる事業計画でどう具体化されるのかが問われる。

 基本指針では、障害、疾病、虐待、貧困の状態にある子どもも含め
「一人一人の子どもの健やかな育ちを等しく保障する」とし、
質の高い教育や保育、子育て支援の安定的な提供を掲げる。
そのためには保育士などの「専門性や経験が極めて重要」と指摘した。

 新制度の枠組みは昨年八月に成立した子ども・子育て支援法で決められており、
税率が上がる予定の消費税増税分を主な財源に、
二〇一五年四月のスタートを目指す。
学童保育や乳児家庭全戸訪問事業の充実などさまざまな子育て支援施策を包含するが、
中心は保育の拡充だ。

 現行の保育は、国が面積や保育士の基準を定める
認可保育所を基本に市町村事業として実施しているが、これを変更。
これまでの基準に満たない認可外保育所も、
新たに作る基準で小規模保育事業として認可するなど、
多様な形態での保育の確保を認める。

 基本指針は高い質での実施を掲げるが、前日に開かれた同会議の部会では、
小規模保育の認可基準について、保育士の配置数のうち資格者の割合を
「二分の一以上」とする案が議論された。
これは、認可外の東京都認証保育所や横浜市保育室などの現行の基準より低い。

 委員からは「多様な事業者が移行できる」と評価する声の一方、
「高い質を目指すというこれまでの議論に合わない」と反対する声も上がった。

 小規模保育の認可基準は来月下旬の部会でまとめる。
ほかに同会議や部会では、利用者の認定基準や幼稚園と保育所の機能を併せ持つ
認定子ども園の認可基準なども検討されている。
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