百貨店が子育て支援 「お子さま」通じ顧客確保を期待

msn産経ニュース
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 百貨店が「子育て支援」に力を入れている。
フロアで、妊娠・出産・子育てに関する講座、子供向けの料理教室や英会話などを実施。
参加者からは「買い物と習い事が同時にできて便利」と好評だ。
百貨店にとっても、量販店やインターネット通販の台頭で苦戦する中、
子育て支援を通し、顧客の獲得につながればと期待している。(佐々木詩)

 ◆父親向けも

 「それでは一緒に遊びましょう。お膝の上に乗せてあげて」。
JR大阪三越伊勢丹(大阪市北区)のベビー子供服・用品フロア。
助産師の岡いくよさん(49)の声に合わせ、
7人の母親が膝の上で子供を揺らしたり、高い高いを始めたりした。

 「おかあさんになるおけいこ」と題した講座で、
生後2カ月から1歳頃までの子供を4段階に分け、
母親にそれぞれの時期に合った接し方を教えている。
手遊びや絵本の読み聞かせ、
「昼寝の時間に寝付いてくれない」といった育児相談にも乗る。

 月2回通って3150円。
8カ月の長男を連れて参加していた文野麻里さん(26)=大阪市此花区=は
「百貨店で専門家の話が聞けるのは心強い」と話す。

 同店では、平成23年のオープンから子供に関するサービスを模索。
英会話教室やリトミック、小学校受験用の対策教室なども開いている。
今後は、父親と子供向けのイベントも開催予定だ。
同店のバイヤー、森悟司さん(34)は
「カリキュラムのある教室に定期的に参加してもらうことで
私たちの百貨店のファンを増やしたい」と話す。

 ◆祖父母も一緒に

 6月にオープンした、あべのハルカス近鉄本店(阿倍野区)でも
親子向けのカルチャー空間「まなぼスタジオ」を開設。
幼児向けのヨガ教室などのレギュラーレッスンのほか、
夏休み中は「世界のカブトムシ・クワガタについて」
「読書感想文講座」などの講座も設ける。

 阪急百貨店梅田本店(北区)では、昨年のグランドオープンから食育の一環として、
ベビー・子供服フロアに、菓子作りなどが体験できる「クラブハリエキッズ」を運営している。
3~12歳を対象に、お菓子の家を模したスペースで
クッキーの型抜きやシェークアイスなどに挑戦。
キッチンはオープンスペースになっており、保護者がそばから見守ることもできる。

 「徐々に口コミで人気が広がっています」と同店。
平日は「ママ友」同士で、休日は祖父母も伴って、
買い物の合間に子供を連れてきており、好評だという。
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