(子どもの本棚)夏休み特集 おすすめの6冊

朝日新聞
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 「子どもの本棚」選者の米村和美さん、汐崎(しおざき)順子さん、佐川祐子さんには、
夏休みにお薦めの6冊を紹介してもらいます。

■「イモムシ」(ポプラ社)

 大きく写しだされたひょうきんな顔、つーんとのびたツノ。
これは宇宙人? いえいえ、全部イモムシです。
なんて、きれいでおもしろい! 敵から身を守る工夫や孵化(ふか)、
脱皮など小さな命の奮闘をとらえた写真絵本。
この幼虫たちがどんな姿に変身するのか調べてみるのもいいね。
身近な場所でくらす生き物の不思議な世界に興味が広がる1冊=幼児から
(新開孝写真・文、税抜き1200円)

■「メルヘンビルダー」(こぐま社)

 メルヘンビルダーとはメルヘンの絵という意味。
「こねこのぴっち」で知られる作家が、ヘンゼルとグレーテル、赤ずきんなどをはじめとする
九つのグリムの昔話を、1話1枚の絵で描きました。
画面いっぱいにちりばめられたお話のさまざまな場面、
登場する人や動物たちを見つけてください=小学校低学年から
(H・フィッシャー画、佐々梨代子・野村ひろし(ひろしはさんずいに玄)
訳、税抜き2500円)

■「ゲンタ!」(ほるぷ出版)

 小5の夏、ゲンタは山で崖から転落、
同じ時にステージから落ちた25歳のミュージシャン「ゲンタ」と、心と体が入れ替わる。
訳もわからず苦手な歌をバンドで歌うはめになるが、
次第にその魅力を感じ始める。
一方、小5の体に入った25歳のゲンタは、
自転車で名古屋から大阪のライブ会場へ走る。
「ビート・キッズ」(講談社)の番外編=小学校高学年から
(風野潮作、税抜き1400円)

■「ラチとらいおん」(福音館書店)

 ラチは世界で一番弱虫な男の子。
犬も暗い部屋も、友達でさえ怖いのです。
そこへ小さな赤いらいおんが現れ、ラチを強くしてくれるといいます。
それからはいつも一緒。助けられ少しずつ強くなります。
そしてある日、いじめっ子に……。
小さな絵本の中の素朴ならいおんが、読む人の心にもすみ続けるでしょう=幼児から
(M・ベロニカ作、とくながやすもと訳、税抜き1100円)

■「ともだちは海のにおい」(理論社)

 いそがしく身体を動かすのが好きないるか。
のんびりと考えごとをするのが好きなくじら。
そんなふたりが、ある日出会って友だちになった。
体の大きさも性格も全く違うけれど、一緒にいると、とても楽しい。
ふたりで見つけた新しいこと、うれしいこと、
どきどきすることなどを詩や日記と一緒に紹介しています=小学校中学年から
(工藤直子作、長新太絵、税抜き1200円)

■「ツバメ号の伝書バト(上・下)」(岩波書店)

 夏休み、イギリスの湖水地方に集まった8人の子どもたちは、
古い鉱山で金を探すことに。
ところが、見知らぬ男も調査を始めていた。そこで通信に伝書バトを使い、
先に金を見つけようと作戦を練る。
様々な困難も大人の力を借りずに、知恵と工夫ではねのけていく。
改訳された冒険物語シリーズの一作=小学校高学年から
(A・ランサム作、神宮輝夫訳、税抜き各760円)
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