院内学童保育室を開設 県内初、三重大病院

中日新聞
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 子どもがいる女性医師や看護師らの職場定着や能力向上を目的に、
三重大付属病院(津市)は本年度、病院内に学童保育室を開設した。
県内では初めての試み。
緒に就いたばかりの取り組みだが「県内の他病院にも広がれば」と関係者の期待は大きい。

 「子どもチームと大人チームの競争だね」。
八月上旬のある日、外来棟五階の一室。
ラケットや風船を使って学童指導員らと遊ぶ子どもの楽しげな笑い声が響き渡った。

 小一~小四の児童を預かる学童保育室「さくら組」。
一日のプログラムは食事や遊び以外に、おやつ作りや巾着袋作り、工場見学などさまざま。
学童指導員の一人、高原愛子さん(53)は
「大人と子どもが一緒に楽しめる」と胸を張る。
一方では、宿題や自習の時間もしっかりと確保。
一学期に利用した子どもは一人だったが、夏休み中は四人に増えた。

 これまでもゼロ歳~就学前の子どもを預かる
従来の院内保育園「さつき保育園」があったが、さらなる子育て支援を求める声を受け、
夜間の延長保育にも対応する学童保育室を設けた。
スタッフは三人の学童指導員に加え、三重大生十五人がアシスタントとして登録した。

 開設に当たっては、費用の半分を県が三年間にわたって財政支援する
「子育て医師等復帰支援事業」を活用。
学童保育所の延べ床面積は七十二平方メートルで、
ベッドで休憩できる個室も設けた。
室内には遊具などをそろえたほか、
保育園分室との共有空間には電子オルガンも置いた。利用料は月一万三千円。

 子育て中の薬剤師や検査技師や大学院生らも利用でき、
二十人程度の受け入れを目指す。
設立発起人の一人、臨床研修・キャリア支援センターの桜井洋至副センター長(49)は
「常勤の医師や看護師としての責任を果たしてもらいつつ、
病院としてはキャリアアップを支援したい」と強調。
「モデル事業として成功させ、県内の他の病院に
同じ取り組みを定着させていきたい」と意気込みを見せる。
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