公立に通う外国人児童生徒、約4割が日本語能力不足?

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現在の学校教育における大きな課題の一つに、「グローバル化」への対応がある。
日本人が外国に出て活躍をするだけでなく、
外国人が日本に来て活躍することもグローバル化の一側面だ。
文部科学省は、公立小・中学校などに通う、
外国人など日本語指導が必要な児童生徒のため、
日本語指導を正規の授業として行えるよう制度改正、
2014(平成26)年度からの実施を予定している。
これについて教育ジャーナリストの斎藤剛史氏が解説する。

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日本の公立学校には2012(平成24)年5月現在、
7万1,545人(小学校4万263人、中学校2万1,405人、高校8,948人など)の
外国人児童生徒が在籍していますが、
その中には日本語が十分にできない子どもも少なくありません。
文科省の調査によると、外国人児童生徒のうち日系人などを中心に
2万7,013人(37.8%)が、日常生活や学校での学習などに
必要な日本語能力が不足しているとされています。
また、海外から帰国したばかりの者や、保護者のいずれかが外国人である者など、
日本国籍でも日本語指導が必要な児童生徒も全国で6,171人います。

文科省は日本語指導員の配置に補助金などを出していますが、
地域や学校によって指導体制がばらばらなのが実情です。
子どもたちにとって、日本語能力が不足しているというだけで、
学校で十分な学習ができなければ、将来の進路選択の大きな障害になりかねません。

このため文科省は、小・中学校など義務教育において、
外国人児童生徒などが日本語指導を正規の授業として受けられるようにすることにしました。
具体的には、日本語指導を「特別の教育課程」として位置づけ、
「年間10~280時間」の範囲で教科の授業として代替できるようにし、
通常の授業時間中に別の教室で日本語指導が受けられるようにします。
正規の授業として学習評価を行うことになるため、
子どもたち一人ひとりにきめ細かい指導ができるようになると文科省は説明しています。
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