埼玉県教育委員長、突然の辞意表明 教科書採択で

msn産経ニュース
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 学習指導要領で指導を義務付けられた国旗掲揚と国歌斉唱について
「強制」と記述した実教出版の歴史教科書を、
埼玉県の高校8校が来年度使用する教科書として採択した問題で、
同県教育委員会の清水松代委員長は19日の定例会で
「(自分の)不本意な発言があり責任を感じている。委員長の任を辞したい」と述べ、退席した。
ほかの委員が慰留しており、辞任の手続きには入っていない。

 清水委員長はその後、「採択の決定は正しかったと確信している。
ただ、教育委員会の考え方を県議会や県民に的確に伝えることができなかった。
不徳のいたすところ」とのコメントを文書で出し、記者会見は行わなかった。

 同県教委は8月、「文部科学省の検定済み教科書なので内容に問題はなく、
各校の実情に合わせたものを採択すべきだ」として、8校の同教科書採択を了承。

 こうした対応に県議会が反発。2回にわたり臨時に文教委員会を開いて
清水委員長や採択した高校の校長らを呼び出し経緯や見解を聞いた。
議論は平行線で、文教委は採択のやり直しを求める決議を賛成多数で可決している。

 清水委員長は平成21年12月から県教育委員。
今年4月に委員長に就任したばかりだった。



 ■実教出版の歴史教科書

 高校日本史Aと高校日本史Bで、国旗掲揚や国歌斉唱について
「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述。
東京都教委や神奈川県教委は、学校側に採択の対象としてふさわしくないことを伝達し、
両都県で採用した高校はなかった。
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