「児童生徒への暴力指示」 体罰指針に追加…山形

YOMIURI ONLINE
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 山形市の中学校で男子バレーボール部顧問を務める50歳代男性教諭が、
日常的に部員同士で平手打ちをさせるなどの体罰を行っていた問題で、
山形県教委は25日、体罰に関する県独自の指導ガイドライン(指針)に
「児童生徒への暴力指示」を追加し、公表した。

 県教委は当初、今回の事例を「特別、悪質ではない」としていたが、
多くの批判を受けて見直しを迫られた格好だ。

 当初の指針は、体罰として判断される行為の例として、
児童生徒へ直接暴行を加えるなどの「身体に対する侵害を内容とするもの」と、
トイレへ行かせないなどの「肉体的苦痛を与えるようなもの」の2種類を挙げていた。

 今回、新たに「教員の指示等で行われる身体に対する侵害を内容とするもの」を追加。
具体的なケースとして、「部活動の練習中、『気合い入れ』と称して部長や部員に対し、
平手打ちなどを指示する」
「授業中、寝ている生徒を起こすため、
隣の生徒に頭をたたくよう指示する」を明記した。

 県教委は2月に全県で実施した体罰のアンケート調査で、
問題の男性教諭が部員同士に平手打ちさせていた事実を把握したが、
6月に減給10分の1(3か月)の懲戒処分とした際、
「部員1人の首を踏んでけがをさせた」などと体罰の一部しか公表しなかった。

 当初は「部員に平手打ちを命じたことは、教諭自身が行った他の体罰と比較し、
特別に悪質な事例ではない」と説明した県教委だが、
今回の問題が報道された8月31日以降、
「公表しなかった判断は間違っていた」と態度を一変させた。

 同日以降、教育長や担当課長ら10人で臨時の会議を数回開催し、
対応の見直しを検討してきた。
この中で「部員同士に体罰を命じた事例を指針に明記するべきだ」などの意見が出され、
「再発防止のため、明確に体罰として位置付ける必要がある」との結論に達したという。

 県内の小中学校や高校など全公立学校と市町村教委には12日付で、
今回の事例を指針に追加したことを通知している。今後、私立学校にも周知を図る方針。
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