【岐阜】支える側が大幅に不足 県内の子育て家庭サポートセンター

岐阜新聞Web
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 保育施設への送り迎えや子どもの預かりなど子育て家庭を支援する
「ファミリー・サポート・センター」の2012年度の利用会員数が、
サポートする側の提供会員数の約2.7倍になったことが24日、県の集計で分かった。
共働き世帯が増えたことなどでニーズは高まっているが、
支える側が慢性的に不足している現状が浮き彫りとなった。

 県の集計によると、県内で登録する12年度の利用会員は7997人で、
提供会員2995人の約2.7倍に上る。活動件数は2万8093件。
県が集計を開始した08年度から、利用会員が年間1000人ほど増えているのに対し、
提供会員の増加は年間200人ほどにとどまる。

 提供会員になるには、実施主体である市町村などが行う研修を
24時間受講することが望ましいとされ、こうした研修が各市町村ごとに
年に1、2回しか開かれないことも増加の伸び悩みの要因となっている。

 県少子化対策課は「利用会員の中には万一のときの『保険』として登録する人もいる。
一方で時間に余裕があり、子育ての取り組みに意識の高い人でないと、
提供会員に登録しない」とした上で「共働き世帯の増加などで、
さらに差は拡大するかもしれない」と危機感を募らせる。

 こうした現状を受け、県は初の試みとして来月から広域での研修会を2カ所で開く。
10月30日~11月7日(安八郡安八町、神戸町)と、
11月28日~12月6日(美濃加茂市)で、いずれも参加は無料。
救命救急講習や食物アレルギー、遊び方など育児に関する
基本的な知識を4日間13講座で学ぶ。

 同課は「地域全体で子どもを育てる環境が整えば、安心して子育てができる。
研修で一人でも多くの提供会員の登録につながれば」と参加を呼び掛ける。

 問い合わせはぎふNPOセンター、電話058(275)9739。

ファミリー・サポート・センター
  市町村や、市町村の委託を受けたNPOなどが運営する相互援助の会員組織。
子育てのサポートを受けたい人(利用会員)と、
支援する人(提供会員)がそれぞれ登録会員となり、
必要に応じてサポートを依頼する仕組み。提供会員は、
保育施設や学校への送り迎え、外出時の子供の預かり、
病児・病後児の預かりなどを行う。今年9月現在、県内32市町で実施している。
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