統合失調症 絵本で説明…病気の親を持つ子どもに

yomiDr.
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 妄想や幻聴などが起こる脳の病気「統合失調症」の親を持つ子どもに、
病気をわかりやすく説明するための絵本が先月、刊行された。

 子どもは「病気は私のせい」と誤解して自分を責めてしまったり、
不安でいっぱいになったりする。
絵本の後半には、そんな子どもに周囲はどう対応したらよいのか、
アドバイスも盛り込まれている。

 絵本は、「お母さんどうしちゃったの……」「お母さんは静養中」の
2冊(ゆまに書房、各税別1800円)=写真=。
著者は、看護師の細尾ちあきさんと精神科医の北野陽子さん。
2人は「プルスアルハ」という事業所をつくり、
一緒に絵本制作や講演などの活動をしている。

 絵本に登場する主人公は、ホロという名の小学校低学年の女の子。
統合失調症になった母親の変化に戸惑い、不安を募らせるが、
何が起きているかわからない。大人に聞いてはいけないと思ってしまう。

 だが、父親から病気の説明を受け、「自分のせいじゃなかった」と安心する。
また、信頼できる「ゆらお姉さん」と出会い、抑えていた気持ちを話すことができるまでを描く。

 後半部分は、絵本の場面に合わせて、親の病気を子どもにどう伝えるかや、
子どもの気持ちに寄り添い、頑張りを認めることの大切さなどについて紹介している。

 北野さんは「医療者や学校関係者、家族ら周囲の大人が、
子どもの気持ちや行動について理解を深められるよう工夫しました。
ぜひ手にとって役立ててほしい」と呼びかけている。
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