子どものてんかん、次々新薬 症状別に広がる選択肢

apital
------------------------------------------------------------------------------------------------
【今直也】 子どもの100人に1人程度いる、てんかんの患者。
成長するにつれて、自然に治る子どももいる。
近年は、新しいタイプの治療薬が次々に登場し、治療の選択肢も広がっている。
自分に合った薬を選べば、発作を抑えて、治療できるようになってきている。

 東京都の女児(12)は小学校に入学する直前、けいれんを伴う発作を経験した。
体がのけぞるように硬直し、呼吸が一時止まった。
発作がおさまると、今度は嘔吐(おうと)を繰り返した。

 半年後、再び強い発作が起きた。
抗てんかん薬による治療を始めたが、活動が鈍くなる副作用が出た。
母親(47)は「発作が起こる頻度が多くなかったこともあり、
薬の服用を続けるべきかとても悩んだ」と振り返る。結局、薬はやめた。

 しかし、小学3年ごろから発作の頻度が増えるようになり、
重い発作をきっかけに入院。薬の服用を再開した。
副作用の様子を見ながら、女児の症状に合った薬を慎重に選んでいった。

 7月には、子どもでも使えるようになった新しい抗てんかん薬「イーケプラ」も飲み始めた。
脳の神経を興奮させる神経伝達物質の放出自体を調整する仕組みの新しいタイプの薬だ。
この治療で、発作の回数は減り、副作用も出ていない。
母親は「娘に合った薬が見つかり、安心して生活できるようになった」と話す。

 てんかんによる発作は脳の電気的な活動の一時的な乱れが原因で起こると考えられている。
脳の発達に伴い、自然に治る子どももいるが、
家庭や学校生活を快適に過ごすには早めの治療が必要になる場合もある。
------------------------------------------------------------------------------------------------