助産師だけの出産、医師立会いと安全性の差なし

yomiDr.
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 通常の経過をたどる一般のお産は、助産師だけで介助する院内助産で実施しても、
医師が立ち会う出産と比べて安全性に差がないという調査結果を、
神戸大の斎藤いずみ教授らがまとめた。

 院内助産は産科医不足を補うものとして全国で普及しつつあり、
同大学によると、複数の施設の調査で安全性を確認したのは初めてという。
5日、さいたま市で開かれる日本母性衛生学会で発表する。

 斎藤教授らは2011~12年に、院内助産のある近畿地方の3病院での出産を調査。
合併症がなく、高齢でないなどリスクの低い妊婦のうち、
院内助産355人、医師が立ち会う一般産婦人科病棟380人の記録を分析した。

 出産時の多量出血、お産の進み具合、新生児の健康状態と入院の有無などの違いを
院内助産と一般病棟で比較したところ、差がないことがわかった。
院内助産では16人、一般病棟では18人がお産の進行がうまく行かず、
途中で帝王切開に切り替えたが、新生児の状態に差はなかった。

 リスクの低い妊婦に対して助産師が妊婦健診の一部を行う助産師外来も調査。
助産師外来を利用した場合と、産科医が健診を全て行った場合で
妊娠の経過に違いはなかった。
斎藤教授は「緊急時に医師と連携して対応できる態勢が整っていれば、
院内助産や助産師外来は安全に行えることを示せたと思う」と話している。
院内助産 医師不足対策として、2008年に厚生労働省が打ち出した
「医療確保ビジョン」に、助産師外来と共に普及が盛り込まれた。
同省によると11年現在で院内助産は160施設、助産師外来は894施設で実施されている。
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