義務教育5歳から検討、「4・4・4制」可能に


YOMIURI ONLINE
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 政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)が、
現行の学制のあり方を見直し、小中一貫教育を行う「義務教育学校」の創設や、
就学年齢の5歳への引き下げなどについて、今月末にも検討を始めることがわかった。

 学制については、小中高校間の連携を強めた上で、
自治体の判断で「4・4・4制」などの柔軟な区切り方を可能にする方向だ。

 自民党教育再生実行本部(遠藤利明本部長)も
今年5月、学制改革を提言し、義務教育学校の創設などを求めた。
実行会議で論議を進め、来年夏までに結論を出す見通し。

 現行の「6・3・3制」については、子どもの心身の成長が早まっていることや、
小学校高学年には中学校のような教科担任制が効果的だという見方もあり、
柔軟に見直す必要性が指摘されていた。

 このため実行会議では、子どもの発達段階に適した学制のあり方について検討を行う。
ただ、一律の改革は影響が大きくコストもかかるため、
小中一貫の義務教育学校を設置した上で、
柔軟に学校段階を区切れるようにする方式が有力だ。

 現在、小中一貫校は、一部の自治体で設置されているが、
中高一貫の中等教育学校のように法制化されていないため、
文部科学相に特例として指定を受ける必要がある。
特例校からは、新しい環境になじめず不登校などになる
「中1ギャップ」の解消、学力向上などが報告されている。
東京都は新たに公立小中高一貫校を設置し、
4・4・4制を導入する方針を打ち出した。

 一方、就学年齢の6歳から5歳への引き下げは、
基礎学力を早期に身に着けることなどが目的。
英国などの実施例をふまえ、実行会議で検討が行われる。

 ただ、経営への影響を懸念する幼稚園団体から強い反発が予想されるほか、
無償化に伴う財源確保などの課題がある。
このため、幼稚園、保育所での幼児教育を、
スムーズに小学校生活に移行できる内容に改革する案も検討される見通しだ。

 米国では州や地域によって学制が異なり、
フィンランドでも小中一貫の9年制総合学校の設置が進む。
実行会議では、海外の事例も参考に議論していく。
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