病児保育専門士誕生 高まる安心感

新潟日報モア
------------------------------------------------------------------------------------------------
県内にも2人 看護の知識生かし対応

 病気や病後の乳幼児を一時的に預かる保育施設が全国的に増えている。
これを受け、全国病児保育協議会(東京都)は本年度、
「病児保育専門士」の認定制度を独自に新設。
本県でも新潟と長岡両市の保育士2人が資格を取得している。
夫婦共働きの世帯が増えるなど、病児保育のニーズは高まっており、
子どもと保護者がより安心できる施設にする取り組みが求められている。
(長岡支社・金子悟)

 病児・病後児保育施設は病院や診療所の小児科と併設されるケースが多く、
全国で1100カ所以上、県内では新潟、長岡、上越など10市に29カ所ある。
病気になった子どもを一時的に預かってもらう親の利用が増えており、
同施設の開設も増加傾向にある。

 病児・病後児保育では、子どもと保育士が初対面だったり、
具合が悪くて機嫌が悪かったりと、子どもが本来通う保育園とは異なった対応が不可欠。
一方で、容体の急変や感染症の子の世話など、細心の注意を払う必要もある。

 病児保育専門士は、看護の知識を身に付けた保育士を育成し、
より専門性の高い病児・病後児保育を目指すために創設された。

 長岡市沢田1の「病児保育室すこやか」の室長(50)は、
県内第一号の資格を取得した。
室長は「子どもの症状をよく診るようになり、
経過や生活の様子などを点ではなく線で捉えられるようになった。
親御さんに安心感を与えることにつながっている」と力を込める。

 すこやかを何度か利用したことがある女性(26)=長岡市=は
「手厚い看護をしてもらえるので、
ほかの施設よりも安心して子どもを預けることができる」と専門士の配置を歓迎する。

 県内では、ほかにも新潟市中央区の
「病児保育室よいこのもり」でも専門士を置いている。

 専門士の受験資格は保育士、看護師で病児・病後児保育施設に
2年以上の勤務歴があることなどが条件。
病児の観察法や看護方法、必要なケアなどを講習会で学び、
レポート提出、口頭試験などを経て認定される。

 全国病児保育協議会によると、これまでに全国で131人の専門士が生まれ、
初年度の認定者は200人を超す見込みだ。

 同協議会では「応募者数が予想を超えており、
ニーズの高まりを実感している」と指摘。
専門士制度を広げていくことで病児・病後児保育施設への理解を深め、
将来的には行政の支援拡充を実現したい意向だ。
------------------------------------------------------------------------------------------------