子供の安楽死が合法化へ:ベルギー

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子供も安楽死する権利を持つべきか−−。

ベルギー上院の社会問題と司法合同委員会は11月27日、
子供の安楽死を認める法案を可決した。
現在ベルギーでは18歳以上の成年には安楽死を認めているが、
この法案では安楽死を許可できる最低年齢を定めないとしている。
MSN産経ニュースが報じた。
法案は、安楽死を認める最低年齢を定めない一方で患者の「正常な判断能力」と親の同意があることを条件としている。また成人の場合は精神的苦痛を理由として認めているが、未成年には肉体的な苦痛がある場合に限定。死期が間もない患者だけに制限した。 

(MSN産経ニュース「子供の安楽死も認める ベルギー上院委、法案可決 オランダに続き」より 2013/11/28 09:00)
ロイターによると、この法案を支持するベルギーの国会議員のひとりは、
「その子本人だけでなく、このような状況に直面している
医師のための法律でもある」と述べている。

終末期医療の研究を行っているブリュッセル自由大学のKenneth Chambarae博士は、
成人には精神的な苦痛から逃れるための安楽死が認められているのと異なり、
子供には改善の見込みが無い物理的な病気に苦しんでいる場合にのみ、
安楽死が認められることになるだろうと話す。

ベルギーの隣国オランダでは、
親の同意があれば12歳以上の未成年にも安楽死を認めており、
法律が導入された2002年から5人の子供が安楽死を選んだという。

安楽死については、9月に宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士が支持したことが
日本でも話題になった。ホーキング氏は安楽死について、次のように話している。
「末期症状や激しい痛みにある人に死ぬことを選ぶ権利を与えるべきで、それを支援する人たちは訴追されるべきではない」

(ロイター「車椅子の物理学者ホーキング博士、安楽死の権利支持」より。2013/09/18 10:49)
ホーキング氏のコメントに関するハフポスト日本版の記事には、様々なコメントが寄せられた。
本人の意志が確認出来ない状態での尊厳死はあり得ないと思います。 たとえ家族であっても、財産や感情などの要素で本人の意志と違う判断をすることも考えられます。
安楽死の許される条件は2つ。 ・本人が死を望んでいること ・社会に貢献する能力を失っていること この2点を同時に満たす必要がある。
意思能力を欠く状態に陥った特殊なケースを除き、基本的な考え方として、尊厳死やLiving Willは権利として認められるべきものと考える。 但し、事業に行き詰まり借金を抱えているといった理由による”自殺”に代わる尊厳死は、断じて認めるべきではないだろう。 
安楽死を認めることは、重度の障害者を死に追いやる行為であるという考え方に対しては、必ずしもそうは思わない。何故なら、親族に大きな負担をかけて延命してもらうことを望んでいない障害者もいるだろうし、そのような障害者にとって、現状の法制度では、その希望に沿うことはできないためだ。プラスとマイナスの両面を考える必要があるだろう。 
やみくもに長く生きる、もしくは生かすことよりも、人間らしく自分の死にざまを自分で決められるような選択肢が整っている社会の方が、総体的には健全なのではないだろうか。
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