【兵庫】児童虐待発見、44%何もせず 県がネット調査

YOMIURI ONLINE
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 児童虐待を発見しても4割以上の人は通報せずに黙殺していることが、
県の調査で分かった。
「通報したら逆恨みされる」「家庭の問題に他人が口を挟むべきではない」
との意識が速やかな通報を妨げているとみられる。
11月は児童虐待防止推進月間。
県は「虐待を通報することが子どもや保護者を
救うのだと認識してほしい」としている。(浅野友美)

 県内の児童虐待相談件数は2012年度2418件で04年度の1228件からほぼ倍増。
虐待に対する県民意識を調べるため、
県は今年8月29日~9月3日、県内に住む20歳以上の
男女3979人を対象にインターネットによるアンケートを実施した。

 児童虐待と疑われる行為を「見たり聞いたりしたことがある」と答えたのは
430人で全体の10・8%を占めた。

 そのうち「近隣・知人に相談した」のは21・9%、
「虐待を受けた子どもに声をかけた」のは21%。
最も多かったのは「特に何もしなかった」で44・7%に上る。
「保育所・学校等に連絡した」「こども家庭センター(児童相談所)に通報・相談」は
それぞれ9%、5・9%にとどまった。

 何もしなかった理由を複数回答で尋ねたところ、
「虐待なのかはっきり分からなかった」が最も多い58・3%。
「連絡したら、虐待した保護者に逆恨みされると思った」(24・5%)、
「かかわることが煩わしい」(22・6%)と続いた。

 「家庭内の問題で、家族自身で解決すべきだから」と回答した人は19・3%で、
「自分とは無関係」の6・1%と合わせると、4分の1を超えた。

きょう神戸でシンポ 事態を深刻に受け止めた県は、
推進月間に合わせて26日午後1時半から
神戸市中央区の県公館でシンポジウムを開催する。
小中学生時代に実父らから虐待を受けた経験を持つ
児童虐待防止機構理事長の島田妙子さんらをパネリストに招く。

 また、近隣のこども家庭センターにつながる
24時間ホットライン(0570・064・000)の周知に力を入れるほか、
12月までに神戸、姫路、尼崎各市で医療関係者ら
対象の児童虐待対応実践研修を開く。

 県児童課は「啓発活動を通じて、子育てに悩む親が相談しやすい環境や
近隣住民で支え合う体制をつくり、虐待防止につなげたい」としている。
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