【福島】スマホ犯罪 子供被害急増

YOMIURI ONLINE
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 スマートフォンの無料通話アプリやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を
きっかけに、子供が犯罪に巻き込まれるケースが県内でも急増している。
出会い系サイトに比べ、子供たちの危機意識の低さが背景にあり、
県警や教育関係者は対応に頭を悩ませている。

 県警少年課によると、今年1~9月、
児童売春や連れ回しなどの被害にあった18歳未満は、
前年同期(90人)とほぼ同じ83人。
だが、このうちアプリやSNSで加害者と知り合ったのは12人で、
前年同期の3人から4倍に増えた。
一方、かつて被害が多発した出会い系サイトは、
2003年頃をピークに減り続けており、今年1~9月はゼロだった。

 郡山市内のホテルで16歳の少女を買春したとして
10月、県警に逮捕された栃木県の30歳代の男も、スマホ向けのアプリを使っていた。
県警幹部によると、男は、見知らぬ人とメッセージを交換できるアプリを使って少女に接触。
数回やり取りした後、食事に誘った。

 ホテルに行ったのは、何度か食事をした後だったが、男は最初から買春目的だった。
一方、少女は調べに対し、「友達を作ろうとアプリを使った。
売春を持ちかけられ、その場の雰囲気に流されてしまった」と話しているという。
男は今月、郡山簡裁から罰金50万円の略式命令を受けた。

 ネットを介した犯罪から子供を守るのに有効とされるのが、
未成年者によるアプリの使用やサイトの
閲覧をできないようにする「フィルタリング機能」だ。
だが、同課によると、危険性が周知された出会い系サイトに比べ、
アプリやSNSでは導入が進んでいない。

 県警は、県内の小中高校などに出向いて、フィルタリングを使うよう指導しているが、
「友達も家族も使っており、日常生活に欠かせない連絡手段になっている。
保護者にもフィルタリングの必要性を感じてもらえない」という。
県教育委員会義務教育課も「新たな連絡手段が
次から次へと開発されることもあり、実態把握が追いつかない」と頭を抱える。

 県警は10月から、ネット上に不適切な書き込みをした
18歳未満を補導する「サイバー補導」を始めた。
無数にあるネット上の情報を限られた人員でチェックするのは難しく、
効果は不透明だが、同課は「子供たちが被害に遭わないよう、
あらゆる手段を講じたい」としている。
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