体外受精を受け60歳で双子を出産した中国の女性

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【AFP=時事】中国の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は
24日、一人娘を亡くした後に体外受精(IVF)を受け、
60歳で双子の女児を出産した中国人女性について報じた。

 体外受精は年齢と共に難しくなることが知られており、
生まれてくる子どもの福祉についての懸念もあることから、
世界の多くの国や医療機関で年齢制限を課している。
体外受精による60歳での出産は極めて異例だ。

 チャイナ・デーリーによると、現在63歳になる盛海琳(Sheng Hailin)さんは
2009年、当時20代後半だった最初の娘を不慮のガス中毒事故で失った。

 同紙が盛さんの発言として伝えたところによると、
「この寂しさから何とか抜け出すため、
高齢だが新たに子どもをもうけることを決意した」という。

■子どもが幼いうちに亡くなる高齢母も

 チャイナ・デーリーによると、中国東部の都市合肥(Hefei)にある
軍の病院が、盛さんと夫の間で体外受精を行うことに同意し、
盛さんは2010年5月25日に
第105人民解放軍病院(No. 105 Hospital of the People's Liberation Army)で、
体重1850グラムの智智(Zhizhi)ちゃんと
体重1450グラムの慧慧(Huihui)ちゃんを出産した。
中国における最高齢の出産だったとみられている。

 ギネス世界記録(Guinness Book of Records)によると、
世界最高齢で出産した女性はスペインの
マリア・デル・カルメン・ボウサダ(Maria del Carmen Bousada)さん。
マリアさんは2006年、66歳と358日で双子の男児を帝王切開で出産し、
その3年後にがんで死亡した。

 チャイナ・デーリー紙は、盛さんが体外受精を受けることを
認められた理由については説明していない。

■700万世帯がたった一人の子どもを失う恐れ

 中国は30年以上前から、大半の親たちに対して、
時に過酷な手段も使って子どもを1人だけに制限してきた。
例外とされているのは、一部の地方に住む家族で
最初の子が女児だった場合や、少数民族、夫婦が共に一人っ子の場合などだ。

 1970年代後期にこの制度が始まって以来、
たった1人の子どもを失った家族の数は全国で約100万に上っており、
今後20~30年でさらに400万~700万の家族が
同様の事態に見舞われると予測されている。

 このような家族は、老後に体が弱り医療費がかさんだ時に
誰も助けてくれる人がいないという将来への不安や、
家族を重要視する文化の中で強い喪失感に直面することになる。

 中国は、夫と妻のどちらかが一人っ子である夫婦に
第2子までの出産を認めるように一人っ子政策を緩和する方針を決めている。
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