微量といえども… 千葉市の保育所給食 事前検査でセシウム

東京新聞
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 「また出たらしい」。ある母親の会を取材していて、こんな不安の声を耳にした。
「また出た」というのは放射性セシウムのこと。
千葉市内の保育所給食で使う食材の放射性物質検査の結果だった。
国の基準(1キログラム当たり100ベクレル)以下だが、
小さな子どもを抱える母親は微量といえども心配が続いている。 (佐々木香理)

 微量のセシウムは十一月二十七日実施の検査で、
茨城県土浦産のレンコンから二九ベクレルが検出された。

 千葉市内で子どもを保育所に預けている三十代の母親は、
市のホームページでこの検査内容を知り、自分の保育所に問い合わせた。
保育所からは、検査結果を受け、茨城県に近い県内を産地とする
レンコンに変更したと言われた。
母親は「近場のものでは変えた意味がない気がする」と漏らす。

 市保育運営課によると、セシウムの検出値が基準以下だった場合、
給食に使用するかどうか見極める明確な数値は定めていない。
一〇〇ベクレル以下であれば問題はないとするのが国の基準で、
市の担当者は「対応は保護者の反応をみて現場の判断に任せている」と説明する。

 このときのレンコンは、十二月五日に「根菜ハンバーグ」用として、
市内六十カ所のうち二カ所の保育所が使った。
一人あたりの使用量は四~三十グラムだった。
残る十カ所はレンコンを省いたハンバーグに変え、
そのほかは他県産に材料を変更。
対応は保育所ごとに分かれた。
このレンコンに関し、市には二件ほど問い合わせがあった。

 市は、原発事故を受けて月二~三回、
学校や保育所の給食で使う食材を事前検査している。
一回につきサンプルは五種類。品目や産地の指定はなく、
流通量の多い産地を検査に回している。

 検査結果をみると、十一月に微量だがセシウムの検出があったのはこの一回だけ。
ほかに、十月は県内産のサツマイモから五・四ベクレル、
八月に群馬産キャベツから一・二ベクレルがそれぞれ検出されている。
取材先の母親からは「サンプル数や検査の頻度を
もう少し増やして」との要望が聞かれる。
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