【川崎市】病児保育事業 請願趣旨採択どまり

東京新聞
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 川崎市議会市民委員会は十二日、病気の子どもを預かる
病児保育事業を市に求める請願を趣旨採択した。

 市は来年四月に市として初の病児保育施設を中原区で運営開始予定だが、
現在は高津区に民間施設が一カ所あるだけ。
採択しない背景には、請願主が先行実施する
民間施設の活用の検討を求めた点がある。
補助制度がなく運営に苦しむ同施設は今後も補助が見込めない見通しだ。

 委員会で、公明党は事業創設や既存の病後児保育施設の活用は
市の施策に合致するが、施策から外れる
民間施設活用は慎重な検討が必要として継続審査を主張。
民主、共産両党は趣旨採択、自民党とみんなの党は
先行施設の支援検討も含め包括的に採択を、それぞれ主張した。

 請願を出した「病児保育を考える親の会」代表の北浜直さん(37)は、
二千万円をかけて小児科医院に併設する形で昨年十月に施設を開所。
月百万円の赤字を出しつつも、市民ニーズに応えてきたという。
委員会傍聴後、北浜さんは「一万二千八百人の署名を添えた
請願への回答がそんなものなのかと思った。
経済的にもたず、来春にはやめることになる」と無念さを語った。

 市保育事業推進部は取材に、北浜さん側から支援の話を受け始めたのは
二〇一一年ごろで、一〇年三月には中原区の新設などの計画を策定していた、と説明。

 「行政は計画的にやらなければならない」と
今後、幸、高津、多摩区にある病後児保育施設で病児保育できるよう検討し、
未設置区での開設を目指すとする一方、
北浜さんが継続を断念しつつあることには
「補助制度はないと説明した上でやっていること。自己責任だ」とした。 (山本哲正)
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