プール熱が再流行、鹿児島「最高値で推移」- 広島などの保健所で警報値超過

CB NEWS
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 今年の夏場に流行した咽頭結膜熱(プール熱)が各地で再流行している。
12月2―8日の1週間の患者報告数(小児科定点医療機関約3000か所)は、
過去10年の同期と比べて最多を記録。
特に西日本で感染が拡大しており、
宮崎県や広島県などの保健所の一部で警報基準値を超えた。
6週連続で増加した鹿児島県は、2003 年の感染症法施行後、
同期比の報告数の動向が「最も高い値で推移している」
として警戒を強めている。【新井哉】

 6月にピークを迎えた咽頭結膜熱の患者報告数は、
9―10月にかけていったん落ち着いたが11月以降、
全国的に増加傾向が続いている。
国立感染症研究所によると、
12月2―8日の全国の患者報告数は、定点医療機関当たり0.66人で、
前週に比べて約16%増加した。

 都道府県別では、鹿児島の1.95人が最も多く、
以下は佐賀(1.87人)、宮崎(1.83人)、島根(1.74人)、
広島(1.49人)、熊本(1.48人)、大分(1.44人)、石川(1.41人)、愛媛(1.38人)などの順。
保健所別では、鹿児島の川薩(5.75人)、指宿(5.0人)、
鹿屋(4.0人)、広島の西部東(5.0人)、宮崎の都城(4.5人)と
日南(3.3人)、石川の南加賀(4.33人)などで警報基準値を超えている。

 咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる急性ウイルス性感染症で、
のどの炎症や発熱、結膜炎の症状が出る。
プールでの感染も多いことから「プール熱」とも呼ばれ、主に夏場に流行する。
感染経路は主に接触感染や飛沫感染だが、
タオルやドアの取っ手、エレベーターのボタンなど患者が触れたものを介してうつり、
保育園や小学校などでの集団発生も少なくない。
感染予防には、▽感染者との密接な接触を避ける
▽うがいや手指の消毒をする―などが有効とされている。
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