【気になるこの症状】「のどの乾燥」に注意! インフルの前触れに…水分摂取で予防

zakzak
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 空気が乾燥するこの季節、のどのカラカラ状態には要注意。
イガイガする、痛いなどの違和感があれば鼻の調子が悪く、
口呼吸をしている可能性がある。
対策を取らないと、風邪やインフルエンザに感染しやすいので気をつけよう。

 【口呼吸が乾燥の元】

 朝、起きると、のどがカラカラに乾燥していることがないだろうか。

 「温度、湿度がどうであれ、きちんと鼻呼吸をしていれば、のどは乾燥しません」と、
東京ボイスクリニック品川耳鼻咽喉科の楠山敏行院長が説明する。

 「鼻には加温・加湿効果があり、湿度30%の空気が通過しても、
のどにきた時には90%になる。温度も体温近くまで上げる能力があります」

 のどが乾燥するのは口呼吸が多いため。
原因は、病気ではアレルギーなどで起こる肥厚性鼻炎、
鼻タケ(ポリープ)ができる重度の副鼻腔炎、
へんとう肥大や肥満による咽頭の閉塞(へいそく)などが考えられるという。

 「アナウンスや会話の多い職業の人も、
息継ぎで無意識に口呼吸をするので乾燥しやすい」

 【防御機能が低下する】

 のどの乾燥はインフルエンザ感染の前触れでもある。
ウイルスに対する最初で最大のバリアが機能しなくなるからだ。

 「のどの粘膜には細かい線毛が生えていて、
その上に粘度の低い粘液、さらに上に粘度の高い粘液が乗っている
2層構造になっています。
正常なら一番上の層にウイルスが付着して、
下のサラサラした層がベルトコンベヤー式に胃へ運ぶので感染しません。
しかし、乾燥してこの輸送機能が低下すると、
ウイルスが増殖して粘液を通り過ぎて粘膜に感染するのです」

 インフルエンザがのどに定着、感染すると、線毛が破壊されるという。

 「線毛の回復には3-4週間かかる。
この間はバリアがない状態なので再感染しやすく、ぶり返すので要注意です」

 【ポリープの原因にも】

 のどが乾燥する人は鼻呼吸を心がけ、
鼻の通りが悪ければ治療することが肝心。
冬場はマスクをして、のどに入る空気の湿度を保つのも効果的だ。

 「室内全体の湿度調節を加湿器でするには業務用でないと難しいが、
のどのためには湿度60%以上が理想です」

 声をよく出す仕事の人は、5分しゃべったら水をひと口飲むことを勧めているという。

 「声帯は乾燥すると振動しづらくなって、声が出にくくなる。
無理に声を出すと声帯ポリープの原因になります。
水を飲んでも直接、声帯には行かないが、
水分を取ると副交感神経の働きで
気道液が分泌されるので自然と声帯が潤います」

 のどの乾燥対策は、そのままインフルエンザ予防に直結する。
年末に向けて万全に備えよう。
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